「ついカッとなって怒鳴って後悔…」
「怒りを抑えて苦しくなった…」
誰しも一度はこんな経験があるはず。
「怒り」で人間関係が壊れたり、仕事にも影響したり…何かと扱いづらい感情ですが、人間にとって必要な感情のひとつです。
大切なのは「怒り」に振り回されず、上手に付き合うこと!
「アンガーマネージメント」は、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。
アンガーマネージメントで人生をもっと楽に生きてみませんか?
第23回は「アンガーマネージメントを実践する③」の続き、「アンガーマネージメントを実践する④」を解説していきます。
目次
アンガーマネージメントを実践する④~
前回に引き続き、「実生活に役立てるアンガーマネージメント」として、場面別の実践方法とコツをご紹介します。
自分が怒りを感じた時、他人に怒りをぶつけられた時の参考にしてください。
【7】「自分の人生」と「子どもの人生」を切り離す
子育ての場でもアンガーマネジメントは効果を発揮しますが、保護者の方に考えていただきたいことは、「自分の人生」と「子どもの人生」についてです。
子育てで、つい感情的になってしまう親の気持ちの裏には、「(自分と同じ)失敗を子どもにさせたくない」という気持ちがあるのではないでしょうか。
多くの場合、子どものことになると冷静でいられなくなる親の気持ちの背景には、自分の人生を投影して、失敗させまいと躍起になる気持ちが隠れています。
いわば、今の私なら失敗しないとばかりに、子どもの人生が「自分の人生の2周目」になっているのです。
「子どもには自分よりいい人生、安定した人生を送って欲しい…」と願うのは、親の共通の思いかもしれません。
しかし、「〇〇大学に行って、職業は□□で…」となると、親のエゴでしかありません。
子どもの人生に自分を投影している典型例と言えるでしょう。
自分の気持ちに気づき、自分らしく生きる
将来は誰にも見通せるものではありません。
一流大学を卒業して、大企業に就職しても、その企業が子どもの定年まで安泰かどうかは分かりません。
子どもの未来を誘導するのは、親のエゴ過ぎないのです。
親が子どもに教えることは、「親の言う通りに生きなさい」ではなく「他人に左右されない自分自身の価値観を持ち、あなたらしく生きなさい」ではないでしょうか。
親自身も苦労しながら生きているけれど、「自分の頭で考え続ける」ことが重要なのだと伝えていくことではないでしょうか。
怒りの奥にある本当の気持ちと向き合うアンガーマネジメントは、そうした考える力を育ててくれるものでもあるのです。
終わりに~「心を整える」とチャンスが回ってくる
人柄がよければもっと出世できたのに…
そんな風に考えている人はいませんか?
しかし、アンガーマネジメントの見地から言えば、その評価は間違ってると言えます。
なぜなら、「人柄さえ良ければ出世できたのに」というのは、人柄のいい人に「仕事さえできれば出世できたのに」というのと同じことだからです。
「仕事の能力」とは「仕事のスキル」プラス「人間力」なのではないでしょうか。
仕事の処理能力だけ高くても「仕事ができる人」とは言えないのです。
アンガーマネジメントは、この「人間力」を強くすることに繋がります。
「怒り」のマネジメントと言っても、怒ってはいけないということではなく、怒りと上手に付き合うことです。
アンガーマネジメントを知ることで、自分の怒りを理解し、かつ、他者を理解することへと繋がります。
感情のコントロールがうまくなると、心が整い、周囲に感謝し、人との縁も大切にできるようになります。
そうなると、今まで気づかなかったチャンスにも気づけるようになるのです。
成功者がよく「自分は運が良かった」と過去を振り返ることがありますが、アンガーマネジメントの理論を知らず知らずに実践できていたから運に恵まれたとも言えるのです。
怒りがコントロールできれば、新しい未来が待っているはずです。
アンガーマネジメントが、あなたの人生に好循環を引き起こすきっかけになる事を願っています。
~了~