「現代ストレス社会」と言われる今。
ストレスフルな環境で働き続けるためには、自分で自分を守る工夫が必要です。
その工夫のキーワードが「感情」!
「感情とうまく付き合うための処方箋」では、仕事で感じる「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの「感情」を、味方につけて、ストレスから自分を守る方法をご紹介します。
第3回は、「嫌いな感情ランキング1位?【怒り】」の続き、「【怒り】~『攻撃』と『我慢』はNG!~」を解説していきます。
目次
【怒り】~「攻撃」と「我慢」はNG!~
前回、「怒り」には「自分の大切なもの、自分の領域を守る」機能があるという話をしました。
では、その機能はどうすれば発揮できるでしょうか。
機能発揮の話の前に、まず「2つのやってはいけないこと」をおさえておきましょう!
①攻撃につなげる
「怒り」を感じた時にやってしまいがちなことは、衝動的に攻撃的なことを言ったり、やってしまうこと。
言ってしまった、やってしまったら簡単には取り返すことができません。
相手との関係にヒビが入るだけでなく、「あんなことを言う人なんだ…」と周囲からの信頼や評価を落とすことにも繋がります。
そして、
「なんであんなことをしてしまったのか…」
と悩み続けることになります…。
攻撃行動の中には、「嫌味を言う」「無視する」などの間接的なやり方や、「いつもやってくれるのに、今日はどうしたの?」と、一見親切に見える攻撃の形もあります。
②我慢する
そう思う人もいるかもしれませんが、怒りをおさえて我慢することは、
- 高血圧
- 冠状動脈疾患
- 虚血性心疾患
などの、循環器系疾患の危険因子になることがわかっています。
「怒り」を抑えつけることは、私たちの体や健康にとって「悪」なのです。
では、「怒り」を感じた時、どうすればいいでしょうか?
「怒り」を味方につけるための2つの基本
①「怒りを感じること」と「怒りをどう外へ表現するか」を分けて捉える
私たちが「怒りを感じたくない」と思うのは、相手を怒鳴ったり、八つ当たりしたりなど、攻撃的な行動に結びつきやすいという理由が大部分を占めています。
しかし、「怒りを感じること」と、「感じた怒りをどう表現するか(または、しないか)」は、別の段階です。
「感情的になるのはよくない」
そう言われて育つうちに、「怒りを感じること自体よくない」と思いがちですが、本当にまずいのは『表現方法』の部分です。
「怒り」を感じるかどうかは自分で選びにくい段階ですが、どう表現するかは自分で選ぶことができる、つまり「自分のコントロールがきく」段階です。
②怒りやすさには環境も関係していることを理解する
イライラが続くと、つい「自分って怒りっぽいな…」と自己嫌悪になりがちですが、怒りやすさは、様々な環境要因や体調なども関係しています。
例えば、暑い時、疲れている時などは、人がイライラしやすくなることがわかっています。
「なんでこんなに自分はイライラしやすいんだろう?」と自分の性格に結びつけるだけでなく、不快な環境になっていないかチェックして、環境の調整を試してみることも大切です。
上の2つを押さえたら、「怒り」を味方につける方法を身につけていきましょう!
次回は、職場で腹が立った時、その場ですぐに使える方法などを紹介します。