「現代ストレス社会」と言われる今。
ストレスフルな環境で働き続けるためには、自分で自分を守る工夫が必要です。
その工夫のキーワードが「感情」!
「感情とうまく付き合うための処方箋」では、仕事で感じる「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの「感情」を味方につけて、ストレスから自分を守る方法をご紹介します。
第5回は、「【怒り】~まずはクールダウンする!5つの方法~」の続き、「【怒り】~大事なものを守るための行動を決める4つのステップ~」を解説していきます。
目次
【怒り】~大事なものを守るための行動を決める4つのステップ~
「怒り」の機能は、「傷つけられている大事なものを守ること」でした。
前回、紹介したクールダウン方法を活用したら、「傷つけられている大事なものは何だろう?」と、自分に問いかけてみましょう。
それをヒントに、以下のような手順で行動を決めていきます。
①大事なものを特定する
まず、何が傷つけられていたのか、大事なものを特定します。
モヤモヤして特定しずらい時は、第2回にあげた、「怒り」を引き起こす「大事なもの」リストを見て、近いものを選びます。
②守るための行動をリストアップ
大事なものを守るため、とることができそうな行動をリストアップしていきます。
「これはできそうにない」という現実的ではないアイデアではなく、「やれそう」と思うものをリストアップしていきましょう。
③優先順位をつけて、どんどん行動する
リストアップした行動の実行可能性と有効性を検討します。
5段階で評価すると、どれから行えばいいか優先順位をつけやすくなります。
優先順位が決まったら、早速実行してみましょう!
④効果アップの振り返りをする
試した結果を振り返って、行動を継続する、もしくは別のアイデアを試す、などしましょう。
では、「細かくダメ出しをしてくる上司」を例に、この4ステップを追いかけてみます。
①大事なものを特性する
リストを確認すると、「仕事」「時間」が当てはまりそうです。この場面だと「せっかくやった仕事」「それにかかった時間」が傷つけられていました。
②守るための行動をリストアップ
取り組んだ仕事や時間を無駄にしないために、どんな行動がとれるでしょうか?
- 仕事をどのように進めていくか、方針を明確にして共有しておく
- 曖昧な指示が出た時、食い違いがおきないか確認するため、上司の指示を具体的に確認する
- 完成後、ダメ出しをされて時間を無駄にしないため、6割できたところで一度見てもらう
このように、大事なものを守るために役立つ行動をリストアップしていきます。
③優先順位をつけて、どんどん行動する
それぞれの行動の実行可能性と有効性を検証します。
5段階評価で考えてみるのも一つの手段です。
実行可能性
5:すぐに実行できる
4:実行しやすい
3:実行できるが、労力がかかる
2:実行できるが、自分一人では難しい
1:労力がかかり、自分一人では難しい
有効性
5:効果てきめん・即解決
4:効果あり
3:効果はあるが時間がかかる
2:相手次第で効果が出るかが変わる
1:効果が出るまで時間がかかり、相手次第で変わる
では、②でリストアップした行動を検証してみましょう。
【実行可能性】指示された時、上司に確認すればいいので、実行できる可能性は高いので、5。
【有効性】全ての認識のズレを解消することはできないが、ある程度効果がありそうなので、4。
【実行可能性】上司が忙しい時に見てもらえるか予測できないところもあるので、3。
【有効性】見てもらえれば効果は高そうなので、4。
どの行動を試すか優先順位がつけにくい時は、実行可能性の高いものを選びます。
効果が高いことも重要ですが、まずは実行に移せないと話にならないためです。
④効果アップの振り返りをする
振り返る時は、次の3つのポイントを中心にします。
- どれくらい効果があったか
- 障害はなかったか
- もっと効果を上げるために工夫できそうなことはあるか
振り返ったら、障害への対策・もっと効果を上げるための工夫を盛り込んで、次の対策を立てます。
このようにブラッシュアップしていき、そもそもの「腹が立つ場面」を減らして、「怒り」を予防することにも繋がります。
次回は、【怒り】~DESC法…関係性を壊すのではなく“つくる”ように怒りを表現する~、へ続く