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感情とうまく付き合うための処方箋【11】 【悲しみ】~「涙を流す」のは悲しみを癒すのに効果アリ~

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「現代ストレス社会」と言われる今。

ストレスフルな環境で働き続けるためには、自分で自分を守る工夫が必要です。

その工夫のキーワードが「感情」

「感情とうまく付き合うための処方箋」では、仕事で感じる「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの「感情」を味方につけて、ストレスから自分を守る方法をご紹介します。

第11回は、「【悲しみ】~「さようなら」の5ステップを知る~」の続き、「【悲しみ】~「涙を流す」のは悲しみを癒すのに効果アリ~」を解説していきます。

目次

【悲しみ】~「涙を流す」のは悲しみを癒すのに効果アリ~

悲しくなると泣きたくなったり、実際に涙が出たりするものです。

涙という言葉にはあまりいいイメージがないかもしれませんが、実は3つのいい効果があります。

カタルシス効果…感情を表すことですっきりする

涙の研究によると、男性の73%、女性の85%が、「泣いたあと、気分が良くなる」と回答しているそうです。

自分の悩み、不安やイライラなどの気持ちを言葉にして人に話すことで、苦痛が和らぐことを「カタルシス効果」といい、効果的なカウンセリングの一つとして用いられています。

感情を言葉にしなくても、涙を流すだけでカタルシス効果があると言われています。

「泣いたあと、気分が良くなる」「すっきりする」というのはこのためです。

リラックス効果…副交感神経が優位になりリラックスしやすくなる

涙には3つの種類があります。

  • 目が乾かないように分泌されている基礎分泌としての涙
  • 玉ねぎを切る、目にゴミが入った時などに出る、反応性の涙
  • 悲しい時など、感情をともなって流れる涙

悲しみの涙は、副交感神経が働くことにより流れます。

ちなみに、私たち人間には、2つのモードがあります。

  • 交感神経優位な戦闘モード
    緊張した状態。血圧や心拍数が上がり、筋肉に力が入ります。仕事をしている時はこのモード。
  • 副交感神経優位なリラックスモード
    筋肉の緊張がとけて、血管が広がり、血圧や心拍数が下がります。寝ている時はこのモード。

涙を流すと緊張状態からリラックス状態に切り替わります。

ストレスによって自律神経が乱れるのは、緊張状態からリラックス状態への切り替えがうまくいかなくなることから始まります。

寝つきが悪い、胃もたれする、血圧が上がりやすい…など、身体にも影響が出てきます。

そのため、ストレス状態が続いている時は、あえて泣ける映画や本を読んで涙を流すと、自分でリラックスモードのスイッチをONにすることができます。

サポート希求効果…周囲からサポートを引き出す

家族や友人が泣いていたら、「大丈夫かな?」と心配したり、「何とかしてあげたい」という気持ちになりますよね。

涙には、周囲の人からのサポートを引き寄せる効果もあります。

しかし、職番などで涙を見せることは、ネガディブな評価を受ける可能性もありますし、自分自身も気まずかったり、恥ずかしい思いをすることもあります。

かといって、一人で泣くと、それでは悲しい気持ちを周囲に分かってもらえず、サポートがもらえないというデメリットがあります。

ベストなのは、

「自分の悲しみを分かってくれる、特定の誰かの前で泣く」

そうすると、気持ちがとても楽になります。

また、涙を見せることには、見せた相手との関係性を深める効果もあります。

人前で泣くのはみっともないから泣けない、という意識が邪魔して泣けない時は、

「泣きたいくらいツラい!」
「泣きたい気分」

と言葉にしてみることから始めてみましょう。

「泣きたい気持ち」を受け止めてもらえることで、少しずつ「泣いてもいいんだ」と思えるようになり、人の優しさに触れると自然と涙が流れてくるかもしれません。


 
次回、【悲しみ】~「失ったこと」に意味を見いだす方法~、へ続く

 

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