「現代ストレス社会」と言われる今。
ストレスフルな環境で働き続けるためには、自分で自分を守る工夫が必要です。
その工夫のキーワードが「感情」!
「感情とうまく付き合うための処方箋」では、仕事で感じる「怒り」「悲しみ」「落ち込み」「不安」の4つの「感情」を味方につけて、ストレスから自分を守る方法をご紹介します。
第18回は、「【不安】~人はなぜ不安になるのか?~」を解説していきます。
目次
【不安】~人はなぜ不安になるのか?~
誰しも「不安で夜も眠れない…」という経験、一度はあるのではないでしょうか。
例えば…、
「年金がもらえるのはずいぶん先だけど、自分の老後は一体どうなるんだろうね?」
「明日の取引先との打ち合わせ、大丈夫?」
こんなふうに言われたら、誰だって不安になりますよね。
そもそも、人はなぜ「不安」になるのでしょうか?
答えはとても簡単。何か「分からないことがある」から。
職場に当てはめて考えると、以下の3パターンに当てはまります。
- 将来どうなるか、結果が「分からない」
…「納期に間に合うか、分からない」
…「契約が取れるかどうか、分からない」
…「プロジェクトが成功するか、分からない」
…「いつ異動させられるか、分からない」 - 目の前のことへの対処法が「分からない」
…「先輩の急な異動で引き継いだ仕事のやり方が、分からない」
…「日々進歩する技術を使いこなせるか、分からない」
…「初めて体験するトラブルの対処方法が、分からない」
…「管理職になったが部下のマネジメントが、分からない」 - 相手がどう考え、どう反応するのか「分からない」
…「ミスや良くない結果を上司に報告する時」
…「取引先の要望に応えられないと回答する時」
…「気難しいという新しい上司と話す時」
…「電話で断りの連絡をする時」
また、私たちが「不安」になった時、やってしまいがちな行動パターンが3つあります。
【1】不安にかられ、やみくもに行動する
超能力者でもない限り、これから起きる未来や、相手が本心で何を考えているか分かりません。
仕事に関しても、100%完璧にして「分からない」を失くすことはできません。
それなのに、やみくもに不安をなくそうと、過去の資料をどこまでもどこまでも調べたり、上司・先輩にしつこく何度も確認したりしてしまいます。
一見、不安がなくなりそうに見えますが、逆に気になることが次々と出てきて、「これでひと段落」と安心するどころか、不安と安堵が繰り返されることになってしまいます。
【2】不安を「なかったこと」にする
本当は不安な気持ちがあるけど、それを見ないよう、感じないよう、蓋をして過ごします。
しかし、不安は「アラート」のようなものなので、初めは小さなアラート音が、だんだん大きくなり、最終的にはサイレンのような大音量に…。
こうなると、「うるさくてガマンできない!」ということになり、もっと強い不安にかられてしまうことになります。
【3】不安をどんどん膨らませる
最初は、
こんなちょっとした心配だったのが、
「すごく高圧的な人だったらどうしよう…」
「苦手なタイプかもしれない…」
こんな風に芋づる式に不安を膨らませてしまうこともあります。
こうなると、不安に圧倒されて、行動することへのハードルが上がり、動けなくなってしまいます。
このように、不安は心地いい感情ではありませんが、前向きな行動に繋げるチャンスでもあります。
と気づかれてくれるのです。
目に見えないものや曖昧なものに対しては具体的な対策をとることはできませんが、まず自分の中にある目に見えない不安を「見える化」することから始めましょう。
そのために有効な方法を、2つご紹介します。
- 口に出して人と共有する
- 「明確にできること」「実は分かっていること」「本当に分からないこと」を分けて書き出す
次回、【不安】~不安を「見える化」する2つの方法~、へ続く