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パーソナリティ障害とは?① ~生きずらさの原因は…?10種類のパーソナリティ障害とその特徴~
他人からの注目と集めたい、興味をひきたいという欲求がとても強く、外見も派手で、演技的な言動をしてしまうのが「演技性パーソナリティ障害」です。
周囲の人から賞賛されたい自己愛性パーソナリティ障害の人と違い、演技性パーソナリティ障害の人は、他人を魅了し、関心や注目をひくためなら、自分を傷つけたり貶めるようなことも平気でやってしまいます。
自分が話題の中心にいないと気が済まず、怒ったり不機嫌になるため、周囲の人はだんだん呆れて疲れてしまいます。
演技性パーソナリティ障害の特徴は?
演技性パーソナリティ障害の特徴を一言であらわすと、
人の注意をひこうとして、大げさな感情表現や演技的な態度を示す。
となります。
パーソナリティ障害の中で、B群(感情的で移り気、不安定。演技的な行動を取りやすい)に分類されています。
演技性パーソナリティ障害の人は、自分に注目や関心を集めたいがために、嘘をついて自分を演じます。
自分に注目が集まることに生きがいを感じているのです。
また、この病気はアメリカの人口の約2%にみられ、男性より女性に多く診断されると言われています。
他の病気もよくみられており、次のうち1つ以上の病気がみられます。
- 他のパーソナリティ障害(反社会性、境界性、自己愛性)
- 身体症状症(頭痛、めまい、体のしびれ、倦怠感、吐き気などの症状があるが、検査しても病気が見当たらない。強い不安を抱くき、受診の理由になることがある)
- うつ病、または気分変調症
- 変換症(無意識な心の葛藤により様々な身体的症状が生じる障害)
演技性パーソナリティ障害の主な特徴は、
- 虚言癖がある
- 話し方が大げさ
- 自分が話題の中心でないと不機嫌になる
- 自分の外見やステータス過剰に気にする
- 性的に挑発的な態度や行動をとる
- 会話の内容があいまいで具体性に欠ける
- 感情変化が激しい
- 周りの影響を受けやすい
など
性格的には、自己中心的で見栄っ張りな人や、子どもっぽい人が多いようです。
常に注目の的でありたいと思い、しばしば嘘をつきます。
また、注目をひくためには、自分を傷つけるようなことも平気でやってしまうため、より不安定な要素を含んでいます。
実際、全てのパーソナリティ障害の中でも、非常に衝動性が高いもののひとつで、薬物乱用や自殺、犯罪などに関わりやすい一面を持っています。
物事を大げさに話しますが、内容は浅はかなことが多いです。
大げさに話し、相手を騙すというより、相手の反応に酔いしれているところがあり、例えば、犯罪の被害に遭ったり、重症を装ったりと、あとですぐバレるような嘘もついてしまいます。
相手は動揺したり、心配したりしますが、その姿が演技性パーソナリティ障害の人にはたまらないのです。
また、新しい対人関係のほうに興味がいくため、長く人間関係を築いていくことが苦手です。
特に、異性を魅了することに熱心で、常に誘惑して魅了し続けることによって自分の価値を証明したがります。
次々に新しい「観客」を魅了し続ける必要があると思っているため、何かの弾みで結婚してしまうと、すぐ自分の間違いに気づき、元気がなくなってしまいます。
また、性的に誘惑することができない同性の友人とは、表面的な関係になりやすいと言えます。
演技性パーソナリティ障害の特徴まとめ
演技性パーソナリティ障害は、自分に注目や関心を集めるために、嘘をついて自分を演じたりします。
自分に注目が集まることに生きがいを感じ、そのためには薬物を乱用したり、自分を傷つけることなども平気でやってしまいます。
注目を得るために、外見的には派手な服装を好み、異性を誘惑することがあります。
うまく注目が集まらないと、不機嫌になったり怒り出したりするため、周囲の人は、呆れて果ててしまいます。
参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31
演技性パーソナリティ障害(HPD),MSD マニュアル家庭版