スキーマ 認知行動療法

生きづらさの原因となっている"スキーマ"④「『自分は変わり者だ』『完璧でなければならない』」

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この記事では、生きづらさの原因となることがある「スキーマ」について紹介していきます。

今回は、「孤立スキーマ」と「完璧主義的スキーマ」について紹介していきます。

前回までの記事はこちらから!

自身のスキーマを理解して自分を苦しめている考え方から抜け出すために、早期不適応スキーマの実例を紹介していきます。

自分は変わり者だ

「変わり者」というのは、「自分の考えを大切にしている」「こだわりを持ち、自分の感覚を尊重している」といったようなプラスの意味を持つ言葉でもあります。

しかし一方で、自分としては普通にふるまっているつもりであるにも関わらず周囲から変わり者扱いされてしまうという人からすれば、「誰とも分かり合えない」「どうして自分はほかの人とこんなに違うんだろう」という悩みになってしまうでしょう。

このスキーマは、普通にコミュニケーションを取ろうとしているにも関わらず、うまくタイミングを計れなかったり、相手の意図を汲み取れずに失敗してしまった、というような経験から作られていきます。

また、そういったことが何度か繰り返されたことにより、「あなたは変わっているよね」等と評価をされたことで、「自分は変わっているのだ」という認知が作られてしまうこともあるかもしれません。

結果として、「世界で自分だけが孤立している」というイメージを抱えてしまい、まわりとの関わりを自分から避けるようになってしまう、「孤立スキーマ」が作られます。

孤立スキーマの思考の例として、下記のものが挙げられます。
・自分は変わり者だ
・なんでみんなと違うんだろう
・自分の居場所はどこにもない
・なんでこうなったんだろう

このスキーマを持つ人は、「自分が話しても受け入れてもらえない、また変人扱いされる」と考えるため、コミュニケーションを避けようとします。

そのためにコミュニケーションに慣れておらず、いざコミュニケーションが必要となった時にまた失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。

そうして、コミュニケーションを取り、失敗し、「やっぱり自分は孤立しているんだ」という考えを強めていってしまうのです。

このスキーマを持つ人はひとりになれる趣味の世界に没頭したり、インターネットの世界で人との交流を得るため、居場所を作ったりする傾向があります。

もちろんそれ自体が悪いというわけではないのですが、このスキーマから抜け出すためには積極的にコミュニケーションを取り、慣れていく必要があるため、自分の世界の外にも目を向けるようにしていきましょう。

完璧でなければならない

あなたは、「自分は失敗ばかりだ」「いつもうまくいかない」とストレスを抱えてしまってはいませんか?

もしそうだとしたら、あなたは「完璧主義的スキーマ」を持っているかもしれません。

「失敗ばかり」「いつもうまくいかない」と考えている人のほとんどに当てはまるのが、「100%完璧な結果」を目指しているということです。

「仕事をするならミスが0でなければいけない」
「今日はひとつミスをしてしまったので悪い日だ」

こんな風に考えているとしたら、いつも落ち込み、イライラしてばかりなのも当然です。

なぜならば、人はそもそもミスをする生き物であり、それを無くすことはできないからです。

普段から明るくて、あまり落ち込んだりイライラしたりしているところを見たことがない、という人は周りにいますでしょうか?

もしいたら、その人は果たしてすべてを完璧にこなしているのか考えてみてください。

おそらくはその人も、普通にミスをしていますし、なんなら完璧を目指しているあなたよりもミスの数が多いかもしれません。

しかしそれでもその人がストレスを抱えていないのは、「失敗は当然起こるものである」ということを受け止めており、「失敗したなら対処すればよい」ということを知っているからでしょう。

完璧主義的スキーマの思考の例として、下記のものが挙げられます。
・物事は完璧にやり遂げるべき
・100点をとるべきで、70点には意味がない
・目標達成のためなら、どんなことでも犠牲にする
・ちゃんとできないやつばかりだ

もちろん、完璧を目指して努力するのは素晴らしいことです。

しかし、すべてを完璧にこなすことは不可能であり、常に完璧であることを課してしまうと、できなかったことばかりに目を向け、心身ともに疲れ果ててしまうのです。

また、この完璧主義的スキーマが自分だけでなく、他人にも向けてしまうと人間関係にも大きな悪影響が出てしまいます。

「アイツが失敗したせいでうまくいかない」と考えればさらにストレスの素が増えてしまいますし、ミスをした相手を批判すれば、その相手だけではなく、その場にいた他の人からの印象も悪くなるでしょう。

さらに言えば、ミスを責めることは実はその相手のミスを抑制するのにはあまり効果的ではなく、落ち込んだり反発心を抱いたりしてしまったら、さらに作業の効率は落ちてしまうでしょう。

まとめ

今回の「生きづらさの原因となっている"スキーマ"」では、
「孤立」スキーマ
「完璧主義的」スキーマ
について学びました!

思考の特徴が自分に当てはまっていないか、確認してみましょう!

 

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