会社のデスクの上や、その周りもゴチャゴチャ。
会議や打ち合わせには毎回遅れるし、何をやらせても段取りが悪く、同じミスを繰り返す…。
あなたの部下や同僚にそんな人はいませんか?
もしかしたら、その人は「発達障害」かもしれません。
「発達障害の人と共に働くこと」では、職場で発達障害の人と接する場合の対応策や、どのような工夫がされれば、当事者とその周囲の人たちが気持ちよく働けるかをまとめています。
第33回は、「職場でみられる発達障害…『人の名前が覚えられない。失礼な発言を繰り返す』」の続き、「発達障害の『純粋なエネルギー』」を活かす」を解説していきます。
発達障害の「純粋なエネルギー」を活かす
ここまで職場でみられる発達障害の症例をいくつかみてきました。
発達障害は決して無意味で厄介なハンディなのではなく、上手にコントロールして、仕事は生活の中で活かせば「人生を深く豊にする才能」とも言えるのです。
例えば、
- 興味を持ったことに集中し、決してあきらめない
- 独自のこだわりは、強力なエネルギーを生むこと
- 人が思いつかないようなことがひらめくこと
- ひらめいたことは猪突猛進で実行すること
など、この純粋なエネルギーは興味や関心の的と仕事と学業とが一致すれば、その分野できっと素晴らしい業績を残せるはずです。
そのためには、目の前の現実に対して先入観を持たず、広く平らな心、虚心坦懐で観察することが大切です。
自身も家族も、ありままの姿を受け入れ、広い視野で将来をみるようにすれば、苦手なことに悩むだけに陥らず、得意なことを見つけて、それを活かして生活することができるのです。
- 「気づくこと」
- 「受け入れること」
- 「情熱を注いで生きること」
ご本人やご家族、職場を含む周囲の人間が、現実に気づいて自分を冷静に見つめなおすことができれば、治療の効果も上がり、改善の方向へ向かう可能性は十分にあります。
そして、必要に応じて、薬の服用を検討することも大切です。
適切な薬物療法を施していけば、発達障害は調整できるのです。
是非、心から楽しめる「好きなこと」「ワクワクする時間」をみつけてください。
それが、一見、馬鹿らしく、愚にもつかないことのように見えても、発達障害を抱えて生きる方や家族の助けになるでしょう。
次回、「発達障害に似た症状と発達障害の治療法」、へ続く