「寝たのに疲れがとれない…」
「睡眠の質が悪い…」
恐らく、誰もが一度はそんなことを感じたことがあるのではないでしょうか。
睡眠に不満があるという人は、実に9割に上ると言われています。(2020年、睡眠に関する調査フジ医薬器)
多くの人が睡眠に関して問題を抱えていることがわかります。
また、日本人の睡眠時間は短くなり続けていると言われています。
最近では、睡眠不足について「睡眠負債」という言葉がよく使われています。
今回は、そんな「睡眠負債」について詳しくみていきます。
目次
睡眠負債とは?
睡眠負債とは、
本来その人が必要とする睡眠時間の不足分(=負債)を意味します。
負債が膨らんでいくと、うつ病や深刻な病気に繋がる恐れがあります。
例えば、最適な睡眠時間が7時間の人がいたとします。
その人の睡眠時間が6時間程度だと、足りない1時間が負債になります。
毎日のように負債を抱えてしまうと、負債はどんどん膨らんでいき、生活や仕事の質が低下するだけでなく、免疫機能の低下やうつ病、ガンなどの深刻な病気に繋がる可能性があります。
国の調査によると、睡眠時間が6時間以下の人は、平成20年に全体の3割未満でしたが、平成27年では、4割近くに急増しているそうです。
逆に、7時間以上の人は34.5%から26.5%と、大幅に減っています。
人によって、必要な睡眠時間はバラバラです。
7~8時間の人もいれば、10時間必要な人もいます。
ですが、多くの場合、睡眠時間6時間未満というのは身体にとってリスクになると考えられています。
一般的に、大人は7~8時間、子どもは9~13時間、幼児は12~15時間の睡眠が必要だと言われています。
睡眠負債を解消するには?
「平日は忙しくてなかなか十分な睡眠が確保できない」という人も多いと思います。
そのため、週末の土日にまとめて睡眠負債を返す…。
いわゆる「寝だめ」をするという人も少なくないでしょう。
しかし、例えば平日は5時間しか寝ていないのに、土日にまとめて12時間も寝てしまうと、生活リズムが崩れてしまうため、あまりおススメできません。
また、寝だめは、質の良い睡眠がとれないため、結局のところ意味ありません。
どうしても平日に睡眠時間が確保できない場合は、平日と同じ時間にアラームをセットして、一度目覚めてから二度寝することで睡眠時間を長くとる方法もあります。
しかし、基本は「毎日しっかり睡眠時間を確保する」これが大切です。
少しの昼寝は効果アリ
昼食をとり、午後になるといつも睡魔と戦っている…という人もいるのではないでしょうか。
そんな時は、もし可能であれば、5~15分くらいのお昼寝をはさむと、頭がすっきりします。
ただし、寝過ごさないよう注意しましょう。
朝起きたら太陽の光を浴びる
メラトニンという眠りを誘う睡眠ホルモンというものがあります。
朝、起きて太陽の光りを浴びると、大体14~16時間後くらいにメラトニンの分泌が活発になるそうです。
つまり、朝起きて太陽の光りを浴びることで、夜自然と眠りにつきやすくなるのです。
また、メラトニンの分泌には光の強さも関係しているそうです。
寝る前にスマートフォンをいじるのは×
夜、寝る前にパソコンやスマートフォンを見ていて、眠れなくなった経験はないでしょうか。
パソコンやスマートフォンからは、ブルーライトが多く発せられていていますが、このブルーライトには、メラトニンの分泌を抑制する働きがあります。
寝る前に、ブルーライトを避けることなども質のよい睡眠には有効となります。
寝る1~2時間前に入浴を
他にも、布団に入る1~2時間前にお風呂に入るのがよいと言われています。
手足などの皮膚温がぽかぽか温かいと、反対に深部体温は下がっていきます。
人は、深部体温が低くなるほど眠気が強くなるため、手足が温かい状態で布団に入るのがベストと言われています。
睡眠負債まとめ
必要な睡眠時間というのは人それぞれですが、睡眠時間が6時間未満の日が続くと、身体にとってリスクになりえます。
足りない睡眠時間が負債となって膨らんでいってしまうと、免疫力が低下し、ガンなどの深刻な病気やうつ病などを招いてしまうかもしれません。
睡眠負債を返済していくには、週末に寝だめするよりも、日頃から睡眠時間をしっかり確保することが一番です。
適切な睡眠時間がとれているかどうかは、目覚めた時に「よく眠れた」「疲れたとれた」「疲れがとれた」と感じたかどうかで判断できます。
睡眠時間を削ってまで、何かやりたくなったときは、
「これは健康にダメージを与えてまでやるべきことなのか?」
と自問してみることをおススメします。
参考:
本当は怖い睡眠負債 Kindle版,ヒロ出版, 2021/1/24
睡眠負債1週間で返済しました: 睡眠マインドと睡眠衛生を整える本 Kindle版, Asamiy, Amazon Services International, Inc.,2021/3/29