カナー症候群とは、知的な遅れや、言葉の発達の遅れなどを伴った自閉症の通称です。
現在では、自閉症状のあるものは全て自閉症スペクトラムという診断名で統一されていますが、カナー症候群は知的な遅れも伴うため、自閉症状だけでなく、知的障害への支援も重要になってきます。
今回は、そんなカナー症候群についてまとめてみました!
目次
カナー症候群とは・・・
カナー症候群とは、自閉症の中で、知的障害を伴う場合のことを言います。
カナー症候群とは医学的な診断名ではなく、カナー型自閉症などと呼ばれることもあります。
コミュニケーションがニガテ、対人関係がニガテ、強いこだわりを持っているなど、自閉症の特徴と知的機能の遅れを併せ持っているのがカナー症候群の特徴です。
3歳までになにかしらの症状がみられると言われています。
カナー症候群の方は、暴力的になることがあり、患者さんの約3割は重度という認定を受けているのが現状です。
その他の発達障害や、精神障害、身体障害などが合併することも少なくありません。
カナー症候群の主な症状
強いこだわりを持っている
自分のルールや、まったく同じ手順などで物事を進めることをこだわります。
少しでも変化があったり、自分の手順を邪魔されるとうまく対応することができません。
また、興味があるものにも偏りが見られます。
集団に参加するのがニガテ
基本的にひとり遊びが好きなため、友人関係を築いたり、周りに配慮するということがニガテです。
そのため、集団の中に入ると、周りのペースに合わせるということが難しく、パニックに陥ってしまうことがあります。
話を理解するのがニガテ
抽象的な概念や、相手の気持ちを考える、想像するということがニガテなため、相手の話を聞いて、その内容を理解するということが難しいことがあります。
カナー症候群の原因は?
カナー症候群の原因は、いまのところはっきりとはわかっていません。
ですが、親のしつけや育て方は原因ではないということはわかっています。
カナー症候群を含む、自閉症スペクトラムは生まれつきの脳機能障害と考えられています。
その原因は遺伝子にあると考えられていますが、親から子に必ずしも遺伝するわけではありません。
そのため、遺伝的要因だけではなく、そのほかの要因も関係していると考えられます。
カナー症候群の治療法は?
カナー症候群の根本的な治療法というものは今のところ確立していません。
しかし、早めの療育によって社会に対しての生きづらさを軽減させることはできます。
SST(ソーシャルスキルズトレーニング)
対人関係をうまく行えるように、日常的によくあるような場面をあげ、もし自分がその場面に遭遇したらどのように対応するといいかを考え、社会生活技能を身に着けていきます。
応用行動分析学:ABA(Applied Behavior Analysis)
応用行動分析学とは、その人の行動や気持ちの原因を、周りの環境との関係から分析し、普段の生活の中での問題に応用していこうというものです。
カナー症候群のまとめ
カナー症候群のある方と関わるときに大切なことは、家族や周りの人がカナー症候群に対しての正しい知識を持ち、同じ方針で接することです。
カナー症候群の方にも特徴がそれぞれあります。
そのため、ひとりひとりに合った適切なサポートを行なっていきましょう。