今回は、知的障害の原因、そして知的障害はいつ判明するか?について詳しくみていきます。
前回の記事↓
知的障害とは?① ~幼児期や学童期に発覚することが多い!知的障害の特徴~
目次
知的障害の原因は?
知的障害の原因は一つではありません。
また、原因が分からないという人も多いようです。
なお、知的障害の主な原因として、以下の3つが挙げられています。
- 生理的要因
- 病理的要因
- 心理的要因
生理的要因
特に病気などではないが、知能水準が低い場合、
- 親からの遺伝
- 遺伝子の組み合わせ
などの生理的要因が考えられます。
生理的要因による知的障害の場合は、障害の程度が軽度または中度の場合が多いです。
また、健康状態にも問題がない場合が多いようです。
知的障害の多くは生理的要因によって発症すると言われています。
病理的要因
脳に病気や傷があることにより、知的発達が邪魔されることがあります。
病理的要因としては、
- 先天性の疾患(自閉症、染色体異常など)
- 感染症
- 外傷(出産時の事故など)
- 毒物
- 低酸素
- 低栄養
などが挙げられます。
病理的要因による知的障害の場合、脳性麻痺、てんかん、心臓病などの合併症を抱えていることが多くあります。
心理的要因
脳の発達時期の生活環境が原因で知的障害になってしまうこともあります。
例えば、
- 親からの虐待
- コミュニケーションをとることがほとんどない環境
など。
発育環境が原因で発症する障害です。
このような心理的要因の場合は、リハビリや環境が改善されれば知的能力が回復することがあるようです。
また、離島や山岳地帯など、刺激が少ない環境で成育した子どもも、IQが低くなる傾向にあるようです。
知的障害はいつ分かる?
先天性の疾患が原因の場合、外見的な異常を伴うことが多いため、生まれてすぐに分かることが多いです。
しかし、外見的な異常がない場合の多くは言葉の遅れから気が付くことが多いようです。
例えば、言葉数が少ない、理解している言葉が少ないといった症状から疑われます。
また、軽度知的障害の場合は、特に大きな問題がないまま大きくなることも少なくないので、大人になってから知的障害であったと気が付くこともあるようです。
中度以上の知的障害をもっている場合は、幼児期や児童期になると対人関係日常生活などで、同じ年齢の子と同じことができないといったことが目立つようになります。
知的障害の診断は、症状の評価とともに、原因疾患の有無を調べる必要があります。
原因は、上記のように多岐にわたります。
どの検査をどこまで行うかは、子どもの症状に基づき決まります。
日常生活の様子、保護者の訴え、なにより本人の診察所見を総合的に判断して決めるものなので、ケースバイケースと言えます。
参考:
e-ヘルスネット,知的障害(精神遅滞), https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-004.html,稲垣真澄,加賀佳美,