お役立ち記事 社交不安症

社交不安症ってどんな病気?【11】~医療機関でおこなう治療法…② 認知行動療法とは~

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「人前に出るのが苦手…」

「人がいるところで何かをするのが苦手…」

そんな風に感じている人は意外と多いものです。

なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?

社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。

「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。

第11回は、「医療機関でおこなう治療法…① 治療の進め方」の続き、「医療機関でおこなう治療法…② 認知行動療法とは」についてみていきます。

目次

医療機関でおこなう治療法…② 認知行動療法とは

ものごとを多方面から見るトレーニング

社交不安症の人は、ものごとのとらえ方、つまり認知が偏りがちです。

認知行動療法とは、認知の偏りに気づき、気持ちや行動を変えていく治療プログラムです。

認知とはものごとのとらえ方のこと

認知とは、あるものごとをその時の状況や過去の経験などと照らし合わせて、自分なりに解釈するプロセスのことです。

このとき、できごとをどのようにとらえるか(認知するか)によって、起こる感情や対応法が変わってきます。

自分の認知が絶対に正しいとは限らない

普段の生活では、私たちは身の回りのできごとをほとんど無意識のうちに取捨選択したり、認知したりしています。

いちいち考えたり、その他の可能性に目を向けたりしません。

そのため、自分の認知がたったひとつの答えだと思いがちです。

しかし、認知はそもそも脳の働きなので、その人に考え方のクセが色濃く反映されます。

同じできごとに遭遇しても、みんながみんな同じように考えること限りません。

ものごとのとらえ方にはクセがあるため認知を変える

起こったことはひとつでも、それをどのように解釈するかによって、できごとの意味はいくつか生まれます。

認知行動療法では、固定しがちな認知のしかたを見直し、その認知が適切か、ほか考え方に気づけるようにします。

できごとの他の面にも目が行くようにようになると、感情が変わり、行動パターンが変わります。

できごと
「私のプレゼンが終わったとき、上司がほおづえをついていた」
とらえ方のクセ
「上司は私のプレゼンが退屈で、ぼんやりしていたに違いない」

「ほおづえをついていた」理由を「退屈だったから」と解釈して、事実を悲観的にとらえている。

感情
  • 私はダメだ(絶望)
  • プレゼンは苦手だ(不安・拒絶)

感情は認知から生まれます。

悲観的な認知からはマイナスの感情が起こります。

行動
  • もう引き受けるのやめよう(回避)
  • もっと退屈させない工夫をしなきゃ(対策)

できごとをどのように解釈するかによって、行動パターンが決まります。

可能性 1
  • 上司はいつもほおづえをついている
  • クセなのかもしれない
そんなに気にすることではないのか知れない

上司がほおづえをついたいた理由がいろいろ考えられます。

必ずしも自分に否定的な胎動ではなかったと考えると、それほど動揺せずに済みます。

可能性 2
  • 上司はこのところ残業が続いていたようだ
  • 疲れているのかもしれない
プレゼンを聞いていた同僚にも意見を聞いてみよう

プレゼンの内容に行き届かなかった点があるとしたら、どんなところだったのか、同僚に確かめるなどの前向きな対策が考えらます。

可能性 3
  • 私のプレゼンに何か不備があったのかもしれない
いろいろな可能性に気づこう

「プレゼンが退屈だった」わけではなく、他の可能性もありました。

このように認知をどうやって変えていくか、具体的な方法を次回からご紹介します。

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次回、「医療機関でおこなう治療法…③ 不安を知る」へ続く。


 

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