
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第13回は、「医療機関でおこなう治療法…③ 不安を知る」の続き、「医療機関でおこなう治療法…④ 『しすぎ』を見直す」についてみていきます。
目次
医療機関でおこなう治療法…④ 『しすぎ』を見直す
「マイルール」は本当に必要か試す
認知について学んだあとは、行動するプログラムに移ります。
ここからはグループで行う方法をご紹介します。
まずは、過剰な対策を「マイルール」として挙げ、その必要性や効果を見直します。
「なくてもいいかも」を実感してみる
自分がせずにはいられない対策に、どのくらい効果があるのか、実際に自分で体験してみます。
この時、大切なのは、
と感じること。
何度か練習するうちに、意味のなかった対策や、必要な対策が見えてきて「しすぎ」が改善されます。
自分のマイルール(対策)を書き出す
例えば、「人前でスピーチする」などの場面を想定して、自分が普段立てている対策を全て書き出します。
「人前でスピーチする」ときのマイルールリストの例
- 聞いている人と視線を合わせないように原稿ばかり見る
- 顔が赤いのがバレないように資料で顔を隠す
- 緊張しても対応できるように、原稿は一言一句決めておく
- 手の震えが見えないように、体お後ろで組んでおく
- 汗をかかないように薄着にする、または汗が見えないように重ね着する
- なるべく顔をみられないようにマスクをつける
対策の多さに気づける
リストアップすると、対策の量が目で見てわかり「やりすぎているかもしれない」と気づくきっかけになります。
対策のあり・なしを実感する
マイルールのリストをもとに、対策を最大限に取り入れた場合と、全くしない場合を、それぞれ実際に試してみます。
対策あり
資料で顔を隠し、原稿を一言一句正確に読む…など、マイルールを忠実に実行する。
対策なし
原稿は要点だけを簡潔にまとめる、顔を隠さず自然な姿勢をとる…など、マイルールとは正反対の姿勢で実行します。
効果① 聞いている人の評価がよくわかる
2つのパターンを比べて、グループのメンバー同士で感想を述べあいます。
「顔を隠しているとかえって気になって注目してしまう」
など、客観的な意見を聞くことができます。
効果② 対策の効果を自分で判断できる
「対策をとっていても緊張が軽くなるわけではない」
といったことが納得できるようになります。
また、「なくてもいい対策」と「本当に必要な対悪」が見えてきます。
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次回、「医療機関でおこなう治療法…⑤ 自己評価を変える」へ続く。
