「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第14回は、「医療機関でおこなう治療法…④ 『しすぎ』を見直す」の続き、「医療機関でおこなう治療法…⑤ 自己評価を変える」についてみていきます。
目次
医療機関でおこなう治療法…⑤ 自己評価を変える
「うまくできていない」か、客観的に見る
緊張しすぎていると、自分の状態が正確にわかりません。
そこで、自分の様子をビデオに撮影し確認します。
これは「ビデオフィードバック」とも呼ばれ、認知行動療法の中でも社交不安症にもっとも効果があると言われています。
他人はそんなに人を厳しく見ない
緊張していると、ミスばかりに目がいって「うまくできなかった」という思いが残ります。
しかし、ビデオで撮った自分の姿を客観的に見ると、「思ったほどひどくない」と、自分を再評価することができます。
また、他のメンバーから、プラスに評価されたり、「ちゃんとできていた」と言われることで、自分が思うほど、他人は厳しい目で見ているわけでではないと実感できます。
自分を他人として見てみる
社交不安症のある人は、自分に対する否定的な思い込みがとても強くなっています。
ビデオフィードバックでは、人前で話している様子録画して、客観的に見て評価することで、低すぎる自己評価を修正していきます。
① 自分の出来栄えを予想して評価表をつける
人前でスピーチや音読をするなどの課題を決めて、その時の自分の様子を予想しながら評価表をつけます。
② 人前で話す姿をビデオに撮る
グループ全員が、順番に前に出て話し、その様子をビデオに録画します。
この時、まだ評価はしません。

③ ビデオ映像を見て評価する
ビデオを全員で見て、評価表をつけます。
自分の映像もできるだけ他人として見るように心がけます。
自分を見て評価する
話している最中はわからなくても、映像を見ていると、「思っていたほどひどくない」「意外と普通」と感じることがほとんどです。
評価がマイナス傾向であることは変わりませんが、少し改善します。
他のメンバーも評価表をつける
全員でお互いの評価表をつけます。
他人に対する評価でマイナスをつけることはあまりなく、ほとんどは自己評価と対象的な結果になります。
④ 評価表を比べる
自分がつけた評価表と、他のメンバーが自分につけた評価表を比べます。

他人がそれほど批判的に見ていないことや、自分の良い点に気づけます。

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次回、「医療機関でおこなう治療法…⑥ 人の目を恐れない」へ続く。
