
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第16回は、「医療機関でおこなう治療法…⑥ 人の目を恐れない」の続き、「医療機関でおこなう治療法…⑦ 成功体験を重ねる」についてみていきます。
目次
医療機関でおこなう治療法…⑦ 成功体験を重ねる
認知行動療法のグループセッションでは、宿題が出されます。
地検の場で認知行動療法を行うだけでなく、現実の日常生活で意識して繰り返し、成功する経験を重ねることが大切だからです。
安心感はゆっくり育てる
認知行動療法では、日常生活での課題が宿題として出されることがあります。
課題にチャレンジするとき、一時的に不安が高まりますが、それを乗り越えて「意外と大丈夫だった」と感じることを繰り返すうちに、少しずつ安心感が育ちます。
不安も安心感も自分の中にあるものです。
少し時間がかかってもいいので、自分で意識しながら経験を積み重ねて、確実に安心感をはぐくんでいきましょう。
不安が強まっても逃げない
認知行動療法では、チャレンジ課題が多く、大変に感じるかもしれませんが、それで治療をあきらめると失敗した記憶が残り、不安をより高めたり、再挑戦するのがおっくうになったりします。
不安になっても辞めない/h5>
不安がつよくなったら、治療を諦める前にセラピストに相談しましょう。
不安が高まった原因を話し合ったりできます。
患者「緊張して、今回の課題ができなかったんです。ここに来るかどうか迷ったんですけど…。
セラピスト「よくいらしてくれましたね。続けることが一番大事です。少し不安の軽い課題を一緒に考えてみましょう」
一時的に不安が強まる/h5>
習慣になっている対策をやめたり、あえて失敗して見たり…。
認知行動療法では不安の高まる画面が多く出てきます。
そのため、治療中は一時的に症状が強くなる人がほとんどです。
安心感が育っていく/h5>
日常生活でも行動パターンを変えるために、宿題はしっかり取り組みましょう。
「だいじょうぶ」だと感じる機会が増え、不安に立ち向かう主体的な姿勢が身につきます。
例えば…
「会話をする」練習
今日はいつもの対策をやめてみよう!
- オーバーなリアクションをやめて、静かに相づちを打つようにする
- 事前に話題を用意するのをやめて、自然の流れに任せる
しらけるかと思ったけど、友達は楽しそうだったし、話題も途切れなかった。
次の約束もできた。
ありのままの自分でもいいと感じられるようになる。
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次回、「医療機関でおこなう治療法…⑧ 薬物療法概要」へ続く。
