
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第19回は、「医療機関でおこなう治療法…⑨ SSRI」の続き、「生活の中で心がけたいポイント…① 認知を変える」についてみていきます。
目次
生活の中で心がけたいポイント…① 認知を変える
認知とは、自分の考え方やものごとの捉え方のクセやパターンのことです。
「とっさに浮かぶ」ため、自分ではその偏りに気づきにくいです。
考えや感情を書き出してみると見えてきます。
自分の心を見える化する
とっさに考えたことをいちいち修正することはできません。
そこでおススメなのが、自分の不安のもとや、日ごろからの考えや感情を書き出すことです。
苦手なことや、不安でできないと思うことを書き出して、リスト化してみましょう。
困っていることも書き出し、その理由を自分で考えて整理してみます。
あいまいだった不安の対象をしっかり把握し、行動に移すヒントが見えてくることでしょう。
自分の考え方のクセに気づき、別の考え方に目を向けることで、沸き上がる不安をやわらげたり、他の感情に変えることができます。
不安の程度を”見える化“する
不安があるために、できないと思っている行動を書き出します。
次に、不安の程度を点数化し、点数の低いものから高いものまで整理してみましょう。
| 行動(例) | 不安の程度 |
| 出社したら、大きな声で「おはようございます」と言う | 10点 |
| エレベーターに乗り合わせた人に「何階ですか?」と聞く | 20点 |
| 知らない人に「最寄りの駅までの道順」を聞く | 30点 |
| ルームウェアで近所のコンビニに行く | 40点 |
| 馴染のないレストランで、店員におススメを聞く | 50点 |
| 大きな声で歌いながら歩く | 60点 |
| まゆげを描かず(または髪をとかさず)に会社に行く | 70点 |
| 「お金が足りない」とレジで一品返品する | 80点 |
| 外で、自分が話すところを自撮りする | 90点 |
| 職場や教室にいる全員に向かって「みなさーん、お元気ですかー」と大きな声で言う | 100点 |
考え方を“見える化”する
今、最も困っていることにスポットを当てて、その背景にある考え方や対応法を書き出していきます。
①今一番困ることは?
自分がどのような状況で不安を感じるのか、ひとつ書き出します。
【例】会社の飲み会に参加すること
②なぜ、怖いのか?
その状況になったとき、とっさに頭に浮かぶイメージを書きます。この部分は無意識に浮かぶもので「自動思考」と呼ばれます。
【例】隣の人とうまく会話ができず、話をふられても黙り込んでしまうだろう
③周りから見て自分はどうなっていると思う?
その時に自分がどんな状態かイメージを書きます。
【例】緊張して震えたり、食事もできなかったりするだろう。変な人だと思われるだろう
④どんな感情や症状が起こる?
その時に、心に浮かぶ感情や、体に現れる変化を予測して書きます。
【例】不安、焦り、孤独感、手が震える、頭がぐるぐるして何も考えられなくなる
⑤どんな対策を立てる?
③の状態を防ぐために、自分が普段とっている対策を書きます。
【例】おしゃべりな人の隣に座る、オーバーに反応する
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②⇔③
②と③はお互いに強化し合う。②の予測が強まるほど③で浮かぶイメージが悪くなり、イメージ悪いほど、うまくいかない予想しか浮かばなくなる
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②⇒④
ネガティブな予測しか出ないと、不安や体の症状しか思い浮かばない
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②⇒⑤
悪いことしか予測しないと、対策が強化される一方に
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④⇒③
周囲からはこう見えているに決まっている、という思い込みに振り回される
日常の不安や、仕事で困ったことなどに眼を向けて繰り返すうちに、自動思考の偏り(②)や、自分のイメージが強すぎること(③、④)、対策が多すぎること(⑤)などが見えてきます。
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次回、「生活の中で心がけたいポイント…② ひとりで行動する」へ続く。
