
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第20回は、「生活の中で心がけたいポイント…① 認知を変える」の続き、「生活の中で心がけたいポイント…② ひとりで行動する」についてみていきます。
目次
生活の中で心がけたいポイント…② ひとりで行動する
医療機関で行う認知行動療法でも、ひとりで行う宿題が重要な鍵になります。
ということは、ひとりでも挑戦できる、ということ。
ここでは、ひとりでできる認知行動療法をご紹介します。
「少しずつ」「ふり返りながら」進める
ひとりでも、自分を客観視して行動を修正することは可能です。
ただし、気を付けなければならないこともあります。
ひとつは、「頑張り過ぎたり、焦って無理を重ねたりすること」です。
挫折のもとになりかねません。
また、「改善を目指すあまり、できたことを過小評価しすぎる危険」もあります。
できたことにしっかり目を向け、自分をほめるのも忘れないでください。
最初は、家族や親しい友人などと一緒に始めて、慣れていくのもよいでしょう。
不安がやわらぎ、また成果を客観的に見てもらえます。
ひとりでもできることは多い
自分の苦手なことに少しずつチャンレジしていきます。
ちょっとずつでも、繰り返すことで不安感が弱まり、自分からやってみようという心が育ちます。
【1】 リストを使ってチャレンジ
こちらのリストを使ってチャレンジしていきます。
① 簡単なことから始める
不安感の小さいことから挑戦します。
② 何度も繰り返す
最初は不安が強くても、何度も繰り返すうちに薄れていきます。
不安を感じなくなるまで、繰り返しやってみましょう。
③ 不安が小さくなったら、次の課題に進む
課題をクリアするうちに、「恥をかいてもそれほどおそろしい辞退に陥るわけではない」ということを実感できるようになります。
※付き添ってもらってもいい
ひとりで勇気が出ないなら、最初から誰かについてもらいます。
慣れてきたらひとりでチャレンジします。
【2】 あえて失敗にチャレンジ
少し恥ずかしいことや、緊張することをあえてやってみます。
① 最初に予想をつける
課題を決めたら、実行する時の自分の様子や、相手の反応などを予想して、書いておきます。
② 少し恥ずかしいことをする
- コンビニで一品返す
- 顔にシールを貼って歩く
- 自分が話すところを自撮りする
③ 結果を振り返る
相手の実際の反応や、その時の自分の感情、体に起こった変化を書き出し、最初の予想と比べてみます。
最初の予想ほど、結果が悪くないことに気づきます。
※【注意】厳しくしすぎない
ひとりでおこなうと、結果の振り返りが厳しくなりがちです。
あれこれ分析せず「起こった事実」だけを書きましょう。
【3】 おひとり様〇〇にチャレンジ
ひとりでいる時に、周囲に注意を向ける練習をします。
五感を使って、音や匂いなどを具体的に細かくキャッチします。
ひとと関わる練習をするのがまだハードルが高いと感じたときもみ取り組めます。
ひとりで喫茶店に行くなど、緊張しやすい場面でも、注意を外に向けると緊張がやわらぐのが実感できます。
- 香り
- 店内の音
- コーヒーの味
- 店内のインテリア
- カップのぬくもり
- カップのデザイン
など
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次回、「生活の中で心がけたいポイント…③ 対話をスムーズに」へ続く。
