
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第21回は、「生活の中で心がけたいポイント…② ひとりで行動する」の続き、「生活の中で心がけたいポイント…③ 対話をスムーズに」についてみていきます。
目次
生活の中で心がけたいポイント…③ 対話をスムーズに
自分が苦手な状況がはっきりしている場合、それに応じてコミュニケーション技法(スキル)を身につけるものも効果があります。
人との対話がスムーズになりやすく、自信に繋がります。
私もあなたもOKなコミュニケーションを
対人関係をスムーズにするための技法としては、人付き合い仕方を学ぶソーシャル・スキル・トレーニング(SST)や、適切な自己主張(アサーション)などがあります。
こうしたコミュニケーションの技法と、社交不安症の人が立てる対策との違いは、その対象です。
社交不安症による対策は、相手のことを考えているようで、結局その対象は自分なのです。
一方、SSTなどのコミュニケーション法の目的は、人との対話とスムーズに進めるためのスキルを磨くことです。
自分だけでなく相手も心地よく、お互いを実り多いコミュニケーションを目指します。
講座などを利用するのもよい
コミュニケーション法は、医療機関やカウンセリング以外にも、スピーチ講座を話し方教室などで学べます。
ただし、不安が強いままだと、スキルを身につけてもうまく使いこなせません。
必ず、認知行動療法と併せて取り組みましょう。
自分も相手もハッピーになるコミュニケーションを
コミュニケーションは、双方向のやり取りです。
自分から伝える「発信」と、相手の意図を受け取る「受信」、両方がうまくいくために必要なポイントを見てみましょう。
気持ちよく伝えあえる関係
自分の気持ちを正しく表現する
コミュニケーションの始まりは、自分の気持ちを伝えること。
意見を言うと悪い印象を与えるのではと思い込んでいると、自分の考えを押し殺す一方になります。
やがて人付き合いが億劫になります。
【そのためには…】
思ったことを伝える時に、主語をはっきりさせます。
相手に伝えやすくするだけでなく、自分自身の思い込みに気づくきっかけになります。
自分をまもりすぎない
自分のn意見を伝えるのは、自分を知ってもらうことでもあります。
傷つきたくないからといって自分を守りすぎると、コミュニケーションが成立しなくなります。
【そのためには…】
相手の反応を気にしすぎたり、意見の食い違いを恐れたりせず、お互いに歩み寄ることを目指しましょう。
おのずと、前向きなコミュニケーションが生まれます。
相手の話をきちんと聞く
会話のキャッチボールを返すには、上手に受け取ることが必要です。
相手の話をだただただ受け身で聞くたけでは返答できません。
相手も「伝わった」という感触を得られません。
【そのためには…】
相手の話を理解し、意図をつかもうとする姿勢を示しましょう。
「そうですね」と相づちを打ったり、「ということですね」とポイントを繰り返すことで、自分の理解が深まります。
相手も「聞いてくれている」と感じられます。
お手本をつくるのがおススメ
「雑談の状巣な人」「上司との受け答えがうまい人」をお手本にして、言葉の選び方や表情などを学びます。
テレビを見ているときでも、使えそうな表現があったらメモしておきましょう。
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次回、「生活の中で心がけたいポイント…④ 生活改善」へ続く。
