
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第22回は、「生活の中で心がけたいポイント…③ 対話をスムーズに」の続き、「生活の中で心がけたいポイント…④ 生活改善」についてみていきます。
目次
生活の中で心がけたいポイント…④ 生活改善
不安や緊張などは外界にあるのではなく、自分の心、つまり脳が作り出しているものです。
脳は体の一部なので、体がすこやかであることは心の健康にも欠かせません。
運動が心と体を変える
運動は、筋肉を増やしたり血液や酸素の循環を助けたりといった効果だけでなく、心の働きにも良い影響があります。
運動をすると、抗うつ効果のあるホルモンの産出がうながされるという研究結果があります。
実際に、うつ病では、薬を使った治療にウォーキングなどのエクササイズを取り入れた方が治りが早く、再発しにくいことが明らかになっています。
脳への良い影響も期待できる
運動が、不安感やうつ状態、うつ病にどのように効くのか、まだはっきりとはわかっていまえん。
ただ、動物実験では、頭の中でもっとうつ病と関わりの深い海馬という部位の神経細胞が、運動によって消えることがわかっています。
まず一歩踏み出そう
脳も体の一部。動かさないと脳の働きにも影響が及びます。
出たくない
不安が高まり、人に会うのを避けるために引きこもりがちに。
運動不足になる
家の中で過ごすとどうしても活動量が減りがち。運動不足は避けられません。
心と体のバランスが乱れる
体を動かさないと、心の働きも鈍ります。どうしようもないことをくやくよ思い悩み、不安感や落ち込みが強まります。
出られない
出たくない、出ないと自分の意思で決めたはずなのに、いつの間に不安感が強くなって、「出られない」状態になります。
でも出てみよう! ~うつうつとした気分が解消される
思い切って踏み出してみると、体が運動の気持ちよさを思い出すはずはず。
できることから始める
初めの一歩は小さくても構いません。家の中なら、人目の少ない時間なら…など、とりあえず始められることを見つけて実行しましょう。
夜に運動する
人通りが減り、しかもお互い見えにくい夜は、外出の不安が小さくなります。ただし、安全には配慮しましょう。
家の中で体を動かす
ラジオ体操をしたり家事を進んでやるなど、家の中でも体を動かす機会はたくさんあります。特におすすめは掃除です。
慣れてきたら日中に出る
体を動かす習慣がついてきたら、明るい時間に外で運動しましょう。太陽の光を浴びることは生物にとって必要なことです。
規則正しい生活リズムが心を落ち着かせる
社交不安症があると、仕事を辞めてしまったり、用がない日は家に閉じこもったりと生活リズムが乱れやすくなります。
生活の乱れは心の乱れ。
生活リズムを整えることは、治療にも繋がります。
リズム正しく、メリハリのある生活を
規則正しくても単調だと生活のいろどりが失われてしまいます。
運動したり、趣味に没頭したりする時間も忘れずにとりましょう。
朝は決まった時間に起きる
一日の計は朝にあり。朝起きる時間を決め、起きたらすぐに雨戸やカーテンを開けましょう。光の刺激が体を目覚めさせます。
人と会う時間をつくる
友人と会うなどの予定をできるだけ作りましょう。家に閉じこもるのを防ぎます。仕事をしている人は、諸侯場の人に挨拶し会話するよう心がけます。
ちょっとだけ頭と体を使う趣味を取り入れる
手を動かしたり手順を考えたりすると、脳、とりわけ前頭葉という部位が活性化します。前頭葉は集中力や意欲、行動力などをつかさどる部位です。無理なく楽しめる趣味を生活に取り入れましょう。
食事は自分で作ってみんなで食べる
献立を考えて、調理して、盛り付ける…料理には脳を刺激する作業がいっぱいです。さらに、家族など人と一緒に食べると、食事の時間も一定になり、生活リズムが整います。
夜はしっかり寝る
朝決まった時間に起きるには、睡眠時間がさだまっていなければなりません。夜は12時までには布団に敗入りましょう。
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次回、「生活の中で心がけたいポイント…⑤ 家事のススメ」へ続く。
