「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第7回は、「社交不安症の基礎知識…③ 経過」の続き、「社交不安症の基礎知識…④ 受診先」についてみていきます。
目次
精神科や心療内科で相談する
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社交不安症は、治療を受ける人がまだまだ少ない病気です。
また、専門科以外を受診して「異常なし」と言われて、「なんとかしたい」と思いながら諦めてしまっている人が多いこともあります。
受診率がとても低い
社交不安症の受診率の正確な数字は出せませんが、非常に低いことは事実です。
元々、本人が「性格だから仕方がない」と思い込んでいたり、内科などを受診して「問題ない」と言われて諦めている人が多いのです。
社交不安症をよく知る医師を選ぶ
医療従事者に社交不安症に詳しい人が少ないのも大きな問題の一つです。
内科などから精神科に繋がらないだけでなく、精神科の医師でも社交不安症ではなく、うつ病として治療しているケースが多いと考えられています。
受診の際には、書籍やインターネットなどで専門医を探すか、かかりつけ医から紹介してもらうなど、社交不安症に詳しい医師を選ぶとよいでしょう。
医師との相性も判断材料の一つです。
【○】精神科・精神神経科・メンタルクリニック・こころの外来 など
以前は「精神科」という名前に抵抗を感じる人が多かったため、いろいろな診察科名や医療機関名が使われています。
いずれも「心の病」を診断し、治療します。
【○】心療内科
その名の通り、心の治療を行う内科です。
心の問題が身体の症状を引き起こす病気の治療にあたります。
【△】内科・神経内科
手の震えや発汗など、身体の症状を強く意識する人は、内臓の病気を疑って内科を受診しがちです。
しかし、内科は内臓を診る科。
神経内科は精神神経科と名前こそ似ていますが、専門は全く違います。
これらの科では、社交不安症とよく似た症状を起こす病気を調べることはできますが、社交不安症そのものの診断・治療は行いません。
まぎらわしい病気もある
社交不安症とよく似た症状を起こす病気があるため、症状によっては内科、精神科、心療内科でもこれらの病気を検査する場合があります。
・パーキンソン病
脳内のドーパミンという物質が減少する病気で、震え、筋肉のこわばりなどがあらわれます。
緊張すると症状が酷くなる点も社交不安症とよく似ています。
・本態性振戦
手や首などが震える病気。
原因はまだ分かっていませんが、遺伝性があり、緊張すると症状が酷くなるのも特徴です。
・甲状腺機能亢進症
新陳代謝を促す甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるようになります。
発汗、震え、動悸などが起こります。
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次回、「社交不安症の基礎知識…⑤ 診察」へ続く。