前回の記事↓
統合失調型パーソナリティ障害とは?① ~変わった言動が特徴!統合失調型パーソナリティ障害の症状~
パーソナリティ障害の中でも、奇妙な行動や発言が多く、そのせいで社会生活に支障をきたしてしまうのが「統合失調型パーソナリティ障害」です。
目次
統合失調型パーソナリティ障害の原因は?
統合失調型パーソナリティ障害が発症する原因は、現在のところ、まだよく分かっていないのが現状です。
しかし、原因は大きく2つあると考えられています。
一つは、幼少期の経験や環境です。
幼少期に両親から十分な愛情を受けられなかったり、ひどく怒られた、いじめられたなどのトラウマや心の傷が原因となっているようです。
そのような心の傷を抱えたまま成長し、両親の離婚や職場でのいじめ、ストレスなどがあると、過去の傷を掘り返してしまい、急に発症してしまうこともあるようです。
また、特にきっかけがないまま、発症してしまうこともあります。
もう一つは、遺伝的要素です。
家族や親せきに統合失調症や他の精神疾患を持っている人がいると、発症するリスクが高くなると考えられています。
統合失調型パーソナリティ障害の治療法は?
パーソナリティ障害の人は、普段から生きずらさを感じて生活をしています。
統合失調型パーソナリティ障害の人が、特に困ることとして対人関係が挙げられます。
そのため、認知行動療法などの心理療法が主に行われます。
また、うつなどの症状が強い場合は、抗うつ剤などの薬物療法を行うこともあります。
認知行動療法
統合失調型パーソナリティ障害の人は、自分の疾患を自覚してないことがほとんどです。
そのため、まず自分の行動や考え方が奇妙で偏っているということを自覚することが大切です。
カウンセリングを続けて、少しずつ自分のことを理解していき、どのように行動すればいいか、会話するといいのか、などを考えていきましょう。
薬物療法
統合失調型パーソナリティ障害の人の約半数が、うつ病を1回以上経験していると言われています。
また、30~50%で統合失調型パーソナリティ障害が診断された際に、うつ病があったと言われています。
そのため、抗うつ剤や、抗精神薬が処方されることがあります。
抗精神薬は、統合失調型パーソナリティ障害の関係念慮(なんでもない偶然の出来事について間違った解釈をし、人に対して普通でない意味づけをすること)、錯覚、その他の症状に有効だと言われています。
服用が必要かどうかは人それぞれなので、医師と相談して服用するようにしましょう。
周囲の人の接し方
統合失調型パーソナリティ障害の人は、インスピレーションが豊かで、アイデアマンであることが多いです。
新しい発想や着眼点で、物事を考えようとするため、周囲がついていけないことが起こりがちです。
本人の思いつきや信念を笑って済ませようとせず、耳を傾ける懐の広さを持って対応することが大切です。
統合失調型パーソナリティ障害の人の特性を受け入れ、適材適所を見つけることが才能を発揮させることにも繋がります。
統合失調型パーソナリティ障害の人の克服ポイント
統合失調型パーソナリティ障害の人は、日常的な雑務や現実的な問題への対応が苦手ですが、身近なことがある程度こなせないと、新しいアイデアや発想を持っていても、現実的な形にすることが難しくなってしまいます。
マイペースで、一人で物事に取り組むことは得意ですが、周囲とのコミュニケーションを疎かにすると、孤立し、変人扱いされて終わってしまいます。
そうならないためにも、日ごろから周囲の人の気持ちにも目を向けて、コミュニケーションをとる努力をしておきましょう。
統合失調型パーソナリティ障害の人は、孤立してしまうと、頭の中でいろいろなことを悪い方向に考えたり、被害妄想などを抱きやすい傾向があります。
そうならないためにも、適度なコミュニケーションをとることはとても大切です。
統合失調型パーソナリティ障害まとめ
統合失調型パーソナリティ障害は、パーソナリティ障害の中のひとつのタイプです。
特徴として、奇妙な行動や発言がみられます。
一方で、奇抜な発想を持っているため、アイデアマンでもあります。
全てのパーソナリティ障害に言えることですが、個人差が大きい障害です。
普段の生活の中で、支障に感じることがある場合は、早めに病院を受診しましょう。
参考:
パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか, 岡田尊司, PHP研究所,2004/5/31