「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
第16回は、「どのような治療が行われるのか ① 主治医とのコミュニケーション/薬物治療・リハビリ」の続き、「どのような治療が行われるのか ② さまざまな専門スタッフとの連携・協力」についてみていきます。
どのような治療が行われるのか ②
医師以外の家族や専門スタッフの力が必要
前回の「どのような治療が行われるのか ② さまざまな専門スタッフとの連携・協力」で紹介したように、統合失調症の治療は総合的に行われます。
そのために、治療には医師以外にも、さまざまな専門スタッフが協力・連携してあたります。
医療機関では、医師や看護師の他に、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士、薬剤師といった専門職がリハビリを担当したり、相談・助言・指導・援助などを行います。
また、患者さんが暮らす地域にも、保健師やケアマネジャー、障害者職業カウンセラー、障害者職業相談員など、さまざまな分野の専門スタッフがおり、患者さんや家族の暮らしをバックアップしてくれます。
患者さんが適切な治療を続けていくためには、家族の理解と協力が不可欠です。
多くの場合、患者さんにとって最も信頼できて、頼れるのは家族であり、家族の考え方や接し方は、医療以上に大きな意味を持つこともあると言われています。
統合失調症を発症した患者さんは、今までにない不安な状態に置かれています。
妄想から他人への不信感が増している時は、周囲が全て的のように見えて、孤独や恐怖を感じていることでしょう。
家族は、「私たちはあなたの味方だよ」というメッセージを送り続けることが大切です。
また、病気や治療法について正しい知識を持ち、回復に向けて患者さんと併走する気持ちで寄り添うようにしてください。
このように、多くの人たちに支えられて統合失調症の治療は進むのですが、実際に立ち向かうのは患者さん本人です。
家族など周囲の人は、必要以上に過保護にならないように注意して、患者さんの自立への道筋をサポートしていくことが大切です。
次回、「治療はどのように行われるのか ③ 病期ごとの治療方針」へ続く