「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
第23回は、「休息期・回復期の心得」の続き、「治療は継続して行われる」についてみていきます。
治療は継続して行われる
再発や再燃を防ぐための維持療法
急性期の症状が治まったあとも、薬物療法は継続して行われます。
抗精神病薬には、急性期の症状を改善するだけなく、再発や再燃を予防する効果があるからです。
再発とは、
をいい、
再燃とは、
をいいます。
急性期の薬物療法では、必要かつ十分な量の抗精神病薬を投与することが基本でした。
慢性期(休息期・回復期)に入り症状が改善されてくると、それに応じて慎重に薬の量を減らしていきます。
そして、患者さんの状態が最も落ち着いた時点での必要最小限の処方を「維持量」として、一定期間継続されます。
これを「維持療法」といいます。
抗精神病薬は服薬をやめてしまったからといって、すぐに再発するわけではありません。
薬を飲まなくても、しばらくは回復状態が続くことから、
と思われる人もいます。
しかし、服薬を中断した場合、数か月~半年くらいで再発するケースが非常に多いです。
維持療法を行わない場合の1年以内の再発率は、65%から80%に上がります。
維持療法を正しく継続すれば、再発率は25%以内に抑えられるとの報告もあります。
また、維持療法を続けていれば、大きなストレスがかかった場合などに再発しても、症状が軽く済みます。
長期に渡る維持療法を続けていくためには、再発を予防することの重要性と薬物療法の必要性をしっかり認識することと、定期的な外来受診を怠らないこと、この2つが大切なのです。
次回、「症状が落ち着いたあとに始める療法」へ続く