「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
https://tinyurl.com/yeyvnv29
第30回は、「入院中に家族ができること」の続き、「自宅療養中に家族ができること」についてみていきます。
目次
自宅療養中に家族ができること
患者さんの精神的な危機を回避する
自宅療法での最大の課題は、再発を最小限に食い止めることです。
そこで、指示通りに服薬を続けてもらうと同時に、再発の引き金となるストレスを回避することが大切になります。
入院中とは違い、自宅療法は日常生活のさまざまなストレスにさらされますが、中でも統合失調症の患者さんが注意したいことは、
- 突然の大きな変化
- 人間関係による慢性的な刺激
です。
統合失調症の人に起こる大きな変化には、身内や親しい人との死別、別居や離婚、家族の健康の変化などが考えられますが、こうした不意に訪れる変化にうまく対処できないと病状の悪化や再発に繋がることがありあmす。
また、デイケアなどの施設での人間関係、仕事に復帰している場合は、職場での人間関係、家族との関係がストレスになっている場合もあります。
このようなストレスのきっかけに患者さんが精神的な危機に陥り、緊急事態を招いたり、再発してしまうことがあります。
家族は、患者さんの危機的状況を事前にキャッチするために、次のようなケースに注意してください。
- 服薬を中断してしまう
- 一人暮らしをしようとしている
- 仕事で強いストレスを感じている
- 1日の活動量が極端に増えた
- 周囲の人とトラブルを起こす
- お酒を飲み始める
など
以上のような徴候がみられたら注意が必要です。
患者さんの様子を注意深く観察し、精神的な混乱を見せるような時は、直ちに主治医に相談してください。
患者さんの精神的な危機に陥る原因と予兆
患者さんの精神的な危機、、再発を招く原因は2つある
原因1…突然の大きな変化
- 身内や親しい人との死別<
- 別居
- 離婚
- 家族の健康の変化
など
原因2…人間関係
- デイケアでの人間関係
- 職場や学校での人間関係
- 家族関係
など
再発の予兆
- 服薬を中断してしまう
- デイケアで新しい人たちと顔を合わせる
- 一人暮らしを始めようとしている
- 復職(復学)しようとしている
- 仕事で強いストレスを感じている
- 自己判断で市販薬を飲み始める
- 1日の活動量が極端に増えた
- 周囲の人とトラブルを起こす
- 不眠が続いているのに、それを誰にも訴えない
- 新な照応が現れたり、これまでの症状が悪化しているのに、それを医療スタッフに知らせない
- お酒を飲み始める
次回、「専門スタッフによる支援」へ続く