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「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
第31回は、「自宅療養中に家族ができること」の続き、「専門スタッフによる支援」についてみていきます。
目次
専門スタッフによる支援
地域ごとにさまざまな分野のスタッフがいる
患者さんが地域で暮らしながら療養を続けるためには、家族や医療スタッフだけでなく、さまざまな分野の専門酢タフの支援を受けることも大切です。
統合失調症の患者さんやその家族の中には、病気のことを他人に知られたくないという思いから、外部に助けを求めることをせず、家族の中だけで問題に対処しようとするケースが見受けられます。
しかし、患者さんが地域で自立した生活を送るには、外部との関わりが欠かせません。
家族と共に積極的に地域の専門スタッフの力を借りて。社会的な繫がりを広げていくことが大事です。
ここでいう専門スタッフとは、
- 精神社会福祉士(ソーシャルワーカー)
- 精神保健福祉士(PSW/精神科ソーシャルワーカー)
- 作業療法士
- 障害者職業カウンセラー
など、地域ごとにさまざまな分野の専門スタッフがいます。
中でも、統合失調症の患者さんの療養生活を支える中心的役割を担うのが、「精神保健福祉士」です。
社会福祉士が障害者全般のソーシャルワーカーであるのに対し、精神保健福祉士は精神疾患を抱える患者さんに限定したソーシャルワーカーといえます。
精神保健福祉士は、患者さんが地域で安心して、その人らしい生活を送るため、
- 療養上の問題
- 医療費や生活費などの経済的問題
- 復学・復職
- 家族関係
など、患者さんが直面するさまざまな問題について、患者さんが自ら解決に向けて取り組めるように支援してくれます。
次回、ご紹介するさまざまな制度の利用についても、分からないことがあれば相談してみてください。
患者さんを支援するさまざま分野の専門スタッフ
社会福祉士(ソーシャルワーカー)
医療と生活の橋渡しを行う“福祉のプロ”です。
障害者全般を対象としており、障害のある人が日常生活で直面する諸問題の相談、助言、指導、援助などを行う。
保健師
保健所や医療機関、精神保健福祉センターなどに所属し、患者さんが自宅療養を続けるための相談、援助、助言などを行う。
精神保健福祉士(PSW/精神科ソーシャルワーカー)
精神疾患を抱える人を専門に支援するソーシャルワーカー。
精神疾患のある人が地域で安心して生活を送ることを目的に、関係機関と連携をとりながら支援を行う。
療養上の問題、年金などの経済的な問題、社会復帰、地域活動など、さまざまな問題の相談、助言、指導、援助などを行う。
作業療法士(OT)
デイケアや医療施設などで、作業療法の指導にあたる。
認知行動療法士
認知行動療法の訓練を受けた医療者、精神保健福祉士、臨床心理士など
ケアマネジャー
さまざまな分野の専門スタッフがチームで援助を行う場合に、チームが効率的に機能するよう全体をマネジメントする。
精神保健福祉士がこの役割を担うことが多い。
障害者職業カウンセラー
心理が社会福祉の専門知識を持ち、地域の障害者職業センターで障害を持つ人に就労支援にあたる専門家。
障害者の職業相談を受けて、その人に最も適したリハビリのプログラムを作る。
障害者職業相談員
地域のハローワークに配置され、障害者専門窓口を担当する
次回、「患者さんのための支援制度 ① 精神障害者手帳」へ続く