「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
第33回は、「患者さんのための支援制度 ① 精神障害者手帳」の続き、「患者さんのための支援制度 ② 所得保障制度」についてみていきます。
目次
患者さんのための支援制度
障害者に対する所得保障制度
統合失調症の人を経済的に支援する所得保障制度には、
- 年金
- 社会手当
- 生活保護
の3つがあります。
まず、年金制度ですが、障害年金には、
- 障害基礎年金
- 障害厚生(共済)年金
があり、加入している年金の種類によって、支給額などが異なります。
国民年金に加入している人が請求できるのは、「障害基礎年金」です。
障害基礎年金には、1級、2級があり、いずれかに該当する決定がなされた場合、等級に応じて定額が支給されます。
一方、厚生年金や共済年金に加入している人は、障害基礎年金に上乗せして、「障害厚生(共済)年金」を請求できます。
障害厚生(共済)年金の等級は、1級、2級に加え、3級があり、支給される対象が障害基礎年金よりも広くなります。
支給額は、障害の等級の他に、これまでに年金に納めた金額などによって違ってきます。
各種の「社会手当」の対象となるのは、通院しながら療養生活をしている精神障害者で、都道府県知事、市長、福祉事務所を管理する町村長の認定を受けた人です。
精神障害者本人に支給される「特別障害者手当」や「障害者福祉手当」のほか、精神障害のある児童を療育する人に支給される「特別自動不要手当」があります。
「生活保護」は、傷病など何らかの事情で十分な収入が得られず、生活が著しく困難なケースに対して、最低限の生活を保障する制度です。
- 貯金、土地、家屋、有価証券などの資産が一切ない
- 扶養義務者からの援助を受けられない
- 働いても一定の収入を得るのが難しい
など、受給するためにはいくつかの要件があり、生活状況をはあくするための調査(家庭訪問など)も行われます。
細かい支給基準は住んでいる地域によって異なるので、詳しくは申請・相談窓口となる地区町村の福祉事務所に問い合わせてください。
所得を保障する制度
障害年金
【種類】
●障害基礎年金(障害等級1~2級※)…国民年金をベースに支払われる年金
●障害厚生(共済)年金(障害等級1~3級※)…厚生年金をベースに支払われる年金
※精神障害者手帳の等級とは異なる
障害等級 | 初診日に加入していた年金制度 | ||||
国民年金 | 厚生年金 | 共済年金 | |||
1級 | 1級障害基礎年金 | 1級障害基礎年金 | 1級障害厚生年金 | 1級障害基礎年金 | 1級障害共済年金 |
2級 | 2級障害基礎年金 | 2級障害基礎年金 | 2級障害厚生年金 | 2級障害基礎年金 | 2級障害共済年金 |
3級 | ― | ― | 3級障害厚生年金 | ― | 3級障害共済年金 |
【年金額】
●障害基礎年金
1級:779.300円×1.25+子の加算※
2級:779,300円×子の加算※
※第1子・第2子は、各224,300円、第3子以降は、各74,800円。なお、ここでいう「子」とおは、「18歳到達年度の街日(3月31日)を経過していない子。または「20歳未満で障害等級1級または2級の少障害者」に限る。
●障害厚生年金
障害の等級のほか、これまで年金に納めた金額によって異なる
【受給資格】
1)初診日の時点で以下のいずれかに当てはまること
・国民年季か厚生年金・共済年金にいすれかに加入していた
・20歳未満であった
・60歳以上65歳未満で、過去に国民年金か厚生年金・共済年金のいずれ赤に加入していた(老齢基礎年金を繰り上げしている場合は除く)
2)一定の保険料の納付要件を満たしていること(初診日に20歳未満であった場合を除く)
3)障害認定日において一定の障害状態にあること
次回、「福祉サービス」へ続く