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統合失調症ってどんな病気?【4】~再発防止と誤解・偏見~

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「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?

病名は知っていても実際どんな病気なのか?

知らない方も多いのでないでしょうか。

統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。

しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?

知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。

「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。

第4回は、「統合失調症の発症から予後」の続き、「再発防止と誤解・偏見」についてみていきます。

目次

再発を防ぐ注意が必要

統合失調症は再発を繰り返すケースが多い

回復期に入り、症状が落ち着いてくると、患者さん自身や家族は、

「もう病気は治ったんじゃないか」

と油断しがちですが、この時期は、ちょっとした油断が「再発」を招くことがあります。

また、再発は、回復して社会復帰を果たしたあとにも起こることがあり、注意が必要です。

再発の要因は主に2つあります。

1つが、「治療の中断」です。

統合失調症の治療は、数年単位の長期に及ぶことがあります。

長く薬を飲み続けることに不安や疑問を感じることもあるでしょうし、症状が治まってくると、「もう薬は必要ない」と思われるかもしれません。

逆に症状がなかなか改善しないと「薬のせいではないか」と疑いたくなるかもしれません。

しかし、勝手な判断で薬をやめてしまうと、高い確率で再発することがわかっています。

症状の改善はもちろんのこと、再発を防ぐためにも、適切な薬物療法が不可欠だということを理解しましょう。

もう1つの原因は「ストレス」です。

進学、就職、結婚など、環境が大きく変化する出来事は病気の発症にも影響しますが、再発への影響はさらに大きいといわれています。

ライフイベントの前後は、患者さんの精神状態に特に注意し、心の安定を図るよう気を配る必要があります。

再発は、不眠、不安、抑うつなどの「前駆期」の症状から始まり、再び「急性期」、「休息期」、「回復期」という経過をたどります。

また再発を繰り返すと、症状が慢性化する危険も高まります。

再発を防ぐには、統合失調症は再発しやすい病気ということを心得て、適切な治療を続けるとともに、ストレスに注意して生活することが大切です。

患者さんへの誤解や偏見を持たない

統合失調症は「克服できる」病気

統合失調症という病気には、

「人格が破壊してしまう」
「何をするか分からない」
「一生、病院から出られない」

など、今でも誤解や偏見を持つ人が少なくありません。

統合失調症を発症して、支離滅裂なことを言ったり、攻撃性や暴力性が強く現れたりすると、

「人格が変わってしまった」
「統合失調症は怖い」

と感じるかもしれません。

しかし、それはあくまでも症状の1つで、適切な治療により症状が改善されれば、本来のその人らしさを取り戻すことができるのです。

また、

「一生、病院から出られない」

というのもあきらかに誤解です。

激しい症状が現れる急性期には、入院して治療が必要になることがありますが、多くは日常生活の中で病気と向き合い、社会復帰を目指すことができるのです。

統合失調症は不治の病ではなく、適切な治療によって、「克服できる病気」なのです。

ただ、誤解や偏見から適切な治療を受けられず、症状を悪化・慢性化させてしまっているケースがあるのも事実です。

症状が悪化することで、誤解や偏見がさらに増すこともあります。

しかしこのような悪循環は断ち切らなければなりません。

多くの人が、統合失調症という病気を恐れる一番の理由は、幻覚や妄想など健常な人には理解しにくい症状にあるのではないでしょうか。

病気によって引き起こされる症状への理解が深まれば、必要以上に病気を恐れることもなくなるでしょう。

次回からは、統合失調症の症状について、より詳しくみていきます。


 

次回、「患者さんは病識がないことが多い」へ続く


 

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