日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第24回は、「『常識』とアサーションの関係を見直す…日頃の考え方<常識>チェック」の続き、「よりよい自己表現を生み出すためには…『私メッセージ』と『自己開示』」を解説していきます。
目次
よりよい自己表現を生み出すためには
表現には、言葉や言い方といった言語的なものと、表情や態度といった非言語的なものがあります。
両者を組み合わせながら、自分が表現したいことを、その時の状況に応じて適切につかえるようになりましょう。
「私メッセージ」で自分の気持ちや考えをつかむ
誰でも自分の気持ちを相手に分かって欲しいものですが、自分自身が自分の気持ちを分かっていなければ、相手にも十分に伝えられません。
そんな時に試して欲しいのが「私メッセージ」です。
これを練習していくうちに、だんだん自分の気持ちが分かるようになってくるので、自分の気持ちをより適切に伝えられるようになります、
「私メッセージ」を練習すると自分の気持ちが明確になる
初めは独り言でいいので「私は」と主語をつけて話してみましょう。
例えば、「急げ!」と思ったら、
「怖がらせないで欲しい」と思ったら、
「分かりにくい言い方は困るなぁ」と思ったら、
などに言い換えてみます。
このように話すと、徐々に自分の気持ちや考えが明確になります。
そして、このように話すことによって、自分の受け取り方や気持ちを相手のせいにしていることに気づいたり、相手を思い通りに動かしたい気持ちがあって、それが自分の感情や都合の押しつけだった、ということが分かってくるようになります。
相手に伝わりやすい表現ができるようになる
「私は」をつけることで自分の気持ちが明確につかめるようになると、自己表現も変化します。
例えば、「あなたがグズだから腹が立つ」は、
「あなたがにらむからイヤだ」は、
という表現になるでしょう。
自分自身が起こしている気持ちに気づくようになります。
こうなると、相手に「イライラさせられた」とか「気分を害された」のではなく、そのような気持ちを起こしているのは自分自身なのだと分かります。
すると、それを相手のせいにせずに伝えられるので、相手に伝わりやすくなるのです。
自分の気持ちを伝えるために「自己開示」する
自分の考えていることや、感じていることを相手に伝えるのが「自己開示」です。
自己開示することで、「この人は自分に近づこうとしている」と感じることができます。
では逆に、なぜ自己開示をしない人がいるのでしょうか。
例えば、自分を出すと欠点がバレると思い意見や感情を表現しないと、表面的で当たり障りのない会話をすることになります。
また、自分を素直に見せて傷ついた経験があると自分とは関係がない情報交換などで会話を進めようとしたりします。
こうなると、自分の一部しか相手に見せていないので、相互理解が進まないままになります。
勇気をもって隠さず自分を知らせる
育った環境や文化が違う人間は、一人ひとり違います。
そこで理解することをあきらめるのではなく、お互いの考え方が違っても、話し合えば分かることもかなり多いのだ、と考えましょう。
自己開示するためには、相手に自分の気持ちを伝えることが必要なので、そこで初めて自分も自分の気持ちをはっきりさせようとするため、自分を知ることにも繋がります。
自己開示するということは、アサーションの基本でもあり、他者と親密になる上で必要なことです。
お互いを理解し合い、よい関係をもつには、まず勇気を出して自己開示してみましょう。
自己開示について知っておきたいこと
- 勇気をもって実行することが大事
- 他者と親密になるための前提条件
- 一人ひとりの考え方は違う
- 自分自身をすることに繋がる
- 相互理解の第一歩になる
次回、「よりよい自己表現を生み出すためには…『会話を増やす』と『社交的会話のコツ』」、へ続く