日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第3回は、「アサーションってなんだろう?」の続き、「非主張的な自己表現とは?」を解説していきます。
目次
非主張的な自己表現とは?
自分の考えや気持ちを言わず、言いたくても自分を抑え、結果として相手の言うことを聞き入れてしまうこと。
非主張的な自己表現は、日本人に多いと言われています。
自分の気持ちを言わないだけでなく、あいまいな言い方をしたり、言い訳がましかったり、他人に無視されやすい消極的な態度や小さな声で言うことも含まれます。
本人は相手を立てたり配慮しているつもりかもしれませんが、相手には「私の気持ちや考え、言っていることは取るに足らないことです。無視しても結構です」と、伝わっている可能性があります。
これでは、自分に不正直ですし、相手にも素直ではありません。
非主張的な言動は、一見すると相手にゆずってあげているように見えますが、自信がなく、不安が強い状態なので、それを隠して卑屈な気持ちになっていることもあります。
その後、「やっぱり自分はダメだ」という劣等感や「どうせ言っても分かってもらえない」という諦めの気持ちになりがちです。
また、相手に対して「譲ってあげた」という恩着せがましい気持ちや、「人の気持ちも知らないで…」という恨みがましい気持ちが残ったりします。
非主張的な表現は相手にわかってもらいづらい
非主張的な自己表現をしたあとは、分かってもらえなかったという思いや、傷ついた気持ちが残るためみじめな気持ちになりがちです。
非主張的な自己表現では、相手に理解されづらいので「黙って引いてあげた」「相手を立ててあげた」といったことは分かってもらえない可能性があります。
我慢によるストレスで心身に問題が起きることも…
このような体験を繰り返すと、不快感が欲求不満や怒りとなって、心の中に溜まっていきます。
それが相手への恨みになったり、関係ない人への八つ当たりや意地悪などになり表現されたりする場合があります。
一方、相手との関係に波風を立てないように自分でその場をおさめる責任をとろうとしても、じっと我慢して耐え続ける人もいます。
他人に攻撃はしませんが、過剰なストレスを自分にかけてしまうので、頭痛、肩こり、神経性の胃炎などの身体症状が出る場合もあります。
また、鬱状態になったり、人と付き合うのを避けるようになることもあります。
一方、非主張的な対応をされた相手も、被害をこうむることになります。
同意されたら相手も相手も意見が同じだと思いますし、譲ってくれたらありがたいと思うものですが、それなのに後で恨まれたり、我慢されたりしたら困惑するでしょう。
また、優先されてばかりだと、優越感や甘えの気持ちを持つことにもなります。
非主張的な場合に起るトラブル
- 卑屈な気持ちや劣等感が自分の中に残る
- 自分の意見や気持ちが相手に伝わらない
- 不快感や不満感が心身に影響を及ぼす
- 相手を恨む心や、恐れる心が生まれる
- 必要な情報が共有されず失敗の原因になる
- 対等でオープンな人間関係をつくることができない
次回、「攻撃的な自己表現とは?」、へ続く