日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第30回は、「怒りは相手のせいではなく自分が起こす感情」の続き、「コミュニケーションの質をアップ!…理解の方法」を解説していきます。
目次
コミュニケーションの質をアップ!
自己表現やコミュニケーションは、相手があってこそ成り立つものです。
あなたは相手についてどのくらい知っていますか?
心地よい自己表現をするためには、相手を知るための努力と工夫も大切です。
いろいろなヒントをご紹介しますので、ぜひ活用してみてください!
理解の方法は人の数だけ存在する
人の話が理解できなかったり、誤解してしまう原因…なんだと思いますか?
それは、人は物事を自分なりの方法でとらえ、その方法が人によって異なるためです。
例えば、お皿に盛りつけられたハンバーグ。
ある人は、「この量じゃ足りないなあ…」と、感じたとしても、ある人は「これ食べきれるかな?」と心配になったりします。
同じ体験をしても、言葉の意味づけに違いによって感想も異なります。
その点を意識すると、お互いの理解がより深まります。
キーワードは「言葉の意味づけ」です。
赤ちゃん不快さを泣くことで表現しますが、成長するにつれて気持ちを言葉で表現できるようになります。
そのためには、多くのことを経験したり、たくさんの言葉を学んで、経験と言葉を結びつけて表現することを学ぶ必要があります。
育った環境、時代、接した人たち、経験などは一人ひとり異なるので、異なった経験を元にして言葉の意味を覚え、表現方法を身につけていきます。
いろいろなことを表現したり、その表現をお互いが理解し合うためには、使っている「言葉の意味づけ」を理解する必要があります。
また、一人ひとり違う経験と言葉の意味づけがあるので、同じ言葉を使った時でも、その言葉が持つイメージや理解する内容は人によってさまざまです。
例えば、英語の学習方法をいつも話題にしている二人が、今日は
「会話は苦手だな」
と話し合っていたとします。
この二人を全く知らない人が、この部分だけを聞いたら、「会話」が英会話のことだとは分からないので、性格が社交的かそうでないかの話だと思うかもしれません。
これは「会話」という言葉に対する意味づけが違っているからです。
また、一緒に食事をして同じものを食べたとしても、それに対して感じたことは一人ひとり違います。
美味しいと感じたら「美味しかった」と同じの言葉を使いますが、食べた料理が複数になったり、季節に合ったものなのかも影響するかもしれません。
このような時、言葉は不便でもあり便利でもありますが、それでも私たちは言葉を手掛かりにして理解し合っていくことしかないのです。
意味づけの違いは、あらゆるものに当てはまる
言葉の意味づけの違いは、具体的なものだけでなく、「悲しい」などの感情にもあてはまります。
「悲しい」という言葉だけでは「悲しさ」を明確には伝えられません。
前後の文脈によって、より分かっていくものなのです。
「悲しい」などの感情以外でも言葉の意味づけは異なるので、お互いを理解するのは大変なことなのです。
人を理解することは、とても手間がかかることですが、だからこそ理解できた時の喜びも大きいと言えるでしょう。
コミュニケーションとは、お互いの言葉の意味づけの違いを照らし合い、分かち合って、より正確な理解へ進んでいくという相互交流のプロセスです。
かなり複雑で大変なプロセスですが、このことを分かっていれば、簡単に「分かった」とか「分かってもらえなかった」ということにはならないでしょう。
また、コミュニケーションを積極的に進める必要がある時と、そうでない時の区別もつけやすくなります。
誤解が生じた時にも、さらに確認し合ったり、話し合ったりする必頭があると思えるでしょう。
言葉の意味づけを意識するとコミュニケーションが変わる
- 自分自身の意味づけから自由になり、新しいものの見方ができる
- 誤解の発生は自然なことと認め、その解消に努めることができる
- 相互理解の難しさがわかり、理解できたときの喜びが大きくなる
次回、「コミュニケーションの質をアップ!…しっかり聴き、お互いを理解する」へ続く