日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第31回は、「コミュニケーションの質をアップ!…理解の方法」の続き、「コミュニケーションの質をアップ!…しっかり聴き、お互いを理解する」を解説していきます。
目次
コミュニケーションの質をアップ!
自己表現やコミュニケーションは、相手があってこそ成り立つものです。
あなたは相手についてどのくらい知っていますか?
心地よい自己表現をするためには、相手を知るための努力と工夫も大切です。
いろいろなヒントをご紹介しますので、ぜひ活用してみてください!
言葉の意味をすり合わせるために「しっかり聴く」
アサーションを覚えたての頃は、アサーティブになるために、積極的な発言をする人が多くいるようです。
しかし、相手にも相手の気持ちや考え、言い分があることを思い出してください。
お互いに理解することを目指すのもアサーションです。
相手の気持ちを引き出すために「しっかり聴く」ことを意識してみましょう。
「きく」ことの意味をしっかり考えてみる
「きく」という言葉には様々な意味があります。
「聞く」には、音や声が耳に入ってくる、という意味があります。
「訊く」には、自分が知りたいことや、尋ねたり質問する、という意味があります。
「聴く」には、相手の言うことを受け止める、という意味でとらえます。
会話の中では、言葉を「聞く」ことも、相手に「訊く」ことも大切ですが、それ以上に相手が言いたい事、知ってもらいたいことをきちんと「聴く」ことが重要です。
自己主張だけでなく相手の主張にも耳を傾ける
アサーションを知るにつれ、自分の言い方や意見を重んじるようになると思います。
自分を主張することは大切なことですが、相手の話を聴かなければ、一方的な主張になり相互理解からは、ほど遠くなってしまいます。
相互理解は話す事と、聴く事で成立します。
この2つはアサーションという車の両輪です。
聴いてくれるあなたがいるからこそ、相手が自己表現できることを忘れないようにしましょう。
想像力を働かせてお互いを理解しよう
相互理解とは、相手のことを理解するという意味ですが、相手の言葉がどのような意味を伝えようとしているかを理解しようとすることでもあります。
こちらでご紹介した「言葉の意味づけ」が違えば、自分が伝えたいことが正確に伝わるとは限りません。
例えば、AさんとBさんが一緒に料理を食べて「あれが食べたかったんだよねー」と言った場合について考えてみましょう。
その時、食べた料理が、「サラダ、スープ、ポテト、ハンバーグ、ケーキ、」の5品だった場合、Bさんは、Aさんがその中の何をさしているのかはまだ分かりません。
そのため、この時点ではAさんが思っていることに、Bさんはたどり着いていません。
Aさんは久しぶりにスタミナがあるものを食べたかったので、ハンバーグのことを言ったのですが、その理由まで話していなかったので、Bさんには想像がつきませんでした。
もしAさんが甘党で、それをBさんが知っていれば、「ケーキ?」と訊いたでしょう。
しかし、その手がかりがなければ「どの料理のこと?」と質問して、Aさんのことをもっと知ろうとするかもしれません。
このように、今食べたばかりの料理の話をするだけでも、お互いに分かり合うのは簡単なことではありません。
様々な人間関係を深く理解しようとしたら、手間がかかるのはもっともなことです。
理解とは、ピントが合わないところから、徐々に焦点を合わせていくようなものです。
仮に分かったと思っても、さらに想像力を働かせたり、確かめたりしていく必要があるのです。
次回、「コミュニケーションの質をアップ!…相互理解の質を上げるコツと質問の使い分け」へ続く