日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第35回は、「聴く=相手を深く理解することの大切さを知ろう」の続き、「相手を知るには共感的に【聴く】」を解説していきます。
目次
相手を知るには共感的に【聴く】
相手が話をすることに消極的だったり、伝えるのに苦心しているような時や、自分にとって内容や意図が理解しにくい時がありますが、そんな時は共感的に想像力を働かせてみてください。
言葉の意味づけに沿って相手を理解することや、リラックスして話せるようにすること、相手の気持ちに寄り添って「聴く」ことが大切です。
相手の言葉だけでなく思いそのものを受け止める
アサーティブに相手を知ろうと思ったら「聴く」という姿勢が大切です。
そのために、
- 相手には相手の気持ちがあること
- 相手も自分の意見や気持ちを大切だと考えていること
- 相手の言葉だけでなく、相手の言いたい事・思いを分かろうとして耳を傾けること
これらが大切です。
語られていない心の内側を受け止めようとする姿勢を持ちましょう。
また、相手をより理解するために、相手が言っていることを、相手が持つ言葉の意味づけに沿って理解しようとしてみてください。
根気よく相手の話を聴こうとする気持ちが大切です。
言葉で説明するのはもちろん、表情や態度、声の調子などで分かってもらおうとしていることなど、相手の気持ちに寄り添って理解しようとしましょう。
このように、相手の感じていることや、伝えたいと思っていることをできるだけ積極的に理解しようとすることが「聴く」ことです。
あなたの聴き方が誠実で心のこもったものなら、相手は徐々に心を開いて自分のことを知らせてくれるでしょう。
深く「聴く」ために…
- 言葉
- 声
- 表情
- 態度
- 姿勢
など、相手の全体を受け止める
深く「聴く」ことができると…
- 気持ち
- 考え方
- 意思
- 体調
- 感じていること
など、相手をよりよく理解することが可能になる
相手が「話したくなる」共感的な「聴き方」をする
自分が話をした相手がじっくり話を聴いてくれて、自分の気持ちを理解し、共感してくれたと思ったら気持ちがスッキリしませんか?
もし相手からの共感がなければ、ちゃんと聴いてもらったという気持ちになれないかもしれません。
相手が心を開いて話をするかどうかは聴き方によります。
そのカギとなる共感的な「聴き方」について考えてみます。
アサーションでは、「言う」ことが強調されがちですが、
という考え方が基礎にあるので、「聴くだけ」、「言うだけ」という関係にはなりません。
アサーションの基本である
のうち
これは、
でもあります。
そこで大切になるのが「共感」です。
もし、一生懸命話をしているのに、聞き手の反応が鈍かったり的外れだと、話し手は自分が言ったことが相手に理解されたのかどうかが分からず、不安になります。
これは「共感」が生まれていないためです。
話し手が「分かってもらえた」と感じるためには、真剣な態度で話を聴き、タイミングよく相槌を打ったり、うなずいたりするのはもちろん、表情や言葉で共感を示すことが大切です。
適切な質問を挟むのも話を弾ませる効果があります。
話し手の話を丁寧に聴いていることが、あなたの表情や言葉になって相手に届くと、相手は、
「もっと話をしたい」
と感じることでしょう。
相手が話したくなる「聴き方」
- 話し手の気持ちを言葉で返して合っているか確認しながら聴く
- じっくり聴き、気持ちをわかろうとする
- 真剣な態度で話を聴く
- タイミングよく相槌をうつ
- できるだけ相手の気持ちを理解しようとしながら聴く
次回、「アサーティブに聴き、相手の話を引き出そう」へ続く