日々の生活の中でこんな気持ちになったことはありませんか?
自分が正しいと思うことは、なんと言われても変えられない…
商品を間違えられても、変えてもらうことができない…
自分の意見を通すために、人の気持ちを配慮できない…
このような状況が続くと、心の中に不満が溜まったり、周囲と関係が悪化してしまうなど、結果的にあなたの生活の質を下げてしまいます。
こうしたトラブルを解決し、より爽やかに生きるための方法が「アサーション」です。
お互いにとって心地いい関係を作るために「アサーション」を学んでみませんか?
第36回は、「相手を知るには共感的に【聴く】」の続き、「アサーティブに聴き、相手の話を引き出そう」を解説していきます。
目次
アサーティブに聴き、相手の話を引き出そう
人は、本心では、
「気持ちを知って欲しい」
そう思っています。
しかし、なかなか積極的に話ができない非主張的な人もいます。
また、話す内容が複雑な場合は、積極的な人でもうまく話ができるとは限りません。
そのような時はどうすればいいのでしょうか?
気持ちをきちんと「聴く」ことは、相手を大切にするアサーション
相手の言いたいこと、訴えたい気持ちを聴くという行為は、「ただ、聴いている」という受動的なことではなく、積極的で能動的なことなのです。
例えば、話が複雑だったり、気持ちが不安定だったり、混乱している時は、聴き手は分かろうとする態度でじっくり話を聴くことが、話し手にとっては大きな助けになります。
「聴く」ということは、相手を大切にするアサーションであり、交互交流の要だと言えます。
共感して聴くことが相手の答えを引き出す
「聴く」というのは、相手の言葉の奥にあるものや、言葉にできないものまで、まとめて受け止めようとする姿勢や態度を持つことです。
これは、相手の立場に立ち、相手の見方から相手の思いを理解しようとする共感の表現です。
話をしていて嬉しいのは、共感のこもった相槌や言葉です。
意識してそれらを声に出してみましょう。
「ふ~ん」
という言葉でもいいのです。
タイミングや声の調子で驚いたり、楽しんでいるのが伝われば、相手は
という気持ちになります。
相手の
という言葉を
と繰り返すだけでも大きな効果があります。
アサーティブな聴き方で関係を深める
アサーティブな聴き方とは、相手の立場に立って気持ちを分かろうとすることですが、そのためには、一時、自分の気持ちを横においておく必要があります。
つまり自分の気持ちの焦点を、話し手寄りにします。
アサーションには、お互いが自分を表現することで相互に共有できるものを発見するという性質があり、同時に、「聴く」時は、「相手のことを知りたい」ので、心の中に相手を快く迎え入れる空間をつくることが必要です。
これが、アサーティブな聴き方と言えます。
しかし、注意が必要な点もあります。
例えば、
とミュージシャンの話をした相手に対して、
といった場合、あなたは〇〇だけでなく、そのミュージシャンが好きな相手にも関心がないととられやすくなります。
そして、そこから会話を深めていくのは難しくなってしまいます。
そうなる前に、
と質問してみましょう。
あなたがそのミュージシャンを知らなくても、そこから会話が続くので、相手に近づくことができます。
相手が心を開くような聴き方を
先ほど、共感して話を聴く聴き手には、人はもっと話をしたくなる、といいましたが、きちんと聴いてくれる人には、弱音を言ったり困ったことを話しやすいものです。
このような話をしやすい相手は、大抵の場合アサーティブな聴き方をしているのではないでしょうか。
また、日常的な会話では、話し手と聴き手は決まっていないので、一方的に話を聴くだけでなく、タイミングを見て自己開示するのもいいでしょう。
そうすると、相手はより話がしやすくなったり、お互い興味があることが見つかったりするので、話が楽しくなるでしょう。
つまり、安心して心を開けるようになるのです。
相手が話したい気持ちになる聴き方
- 話を待つ姿勢を持つ
- タイミングよく相槌を打つ
- 適切な質問をする
- 表情が真剣である
- 共感をこめて聴く
相手の話を引き出すコツ
次回、「人間関係を維持・改善する日常生活のアサーション」へ続く