日々のストレス、過去のトラウマ。
辛い状況にいる自分を、自分に合った方法で労ってあげるための心理学講座、第9回目。
自分との向き合い方、受け止め方、心の負荷の受け流し方を知って、「息苦しい」から「生きやすい」自分を手に入れましょう!
目次
コーピングの種類
前回の復習!
前回までの復習です。
検証の方法や心理学用語の「自動思考」、そして体の反応については前回の記事で振り返ってみてくださいね。
自動思考や気分・感情といったストレスへの反応の分析方法を学んできました。
「自分はわかっている。でもストレスを感じることは多い」と思っている人ほど、感じたストレスに上手に対処するために、読んでみてくださいね。
さらにコーピングという心理学用語も登場しています。
興味がある方もぜひ見てみてください!
さて、今日はそのコーピングの種類についてです。
コストが高いもの
その時々のストレスを放置しないために、ストレスを解消するための手段であるコーピング。
コーピングが「人に話を聞いてもらう」ということだったとしましょう。
人に話を聞いてもらうことで少しは心は落ち着きますし、話せたという安心感も大きくなります。
しかし落ち込んでいるときなどに、人を呼んで話を聞いてもらうというのは少しハードルが高いように感じますね。
コーピングの方法として「人に話を聞いてもらう」しか知らないと、なかなかコーピングを実践できないということになってしまいます。
このため、コーピングはたくさん用意しておく必要があります。
もう一つ、食事やアルコールで解消する方法をコーピングとして採用した例です。
こちらは一人でできますからハードルは低く、お金はかかるものの一時的にかなり満たされた状態になることができます。
しかしそれしかコーピングを知らないと、食事が偏り栄養不足になるなど健康上の問題、アルコール依存、などにつながってきます。
このため、その時々で使い分けられるように何種類もコーピング手段がある方が良いのです。
コストが低いもの
一方で、コストがかからずハードルが低いものとして、「美味しい食事をイメージする」というものがあります。
実際に飲食をするほどの効果は得られませんが、無料で時間も手間もかかりませんので、手軽にできるコーピングですね。
また、素晴らしい風景の写真を見る、楽しかったことを思い出す、好きなタレントのイメージをする、といったこともコーピングになります。
ストレッチをする、大きくため息をつく・深呼吸をする、といった気軽にできる行動もよいコーピングです。
人の脳がストレスを感じるときというのは不利益を予感しているときです。
不利益を予防するためのエネルギーが蓄積されているわけなので、行動することでそのエネルギーを消費すれば脳は安心することができます。
そういった意味でとても効果的なのが、「笑顔を作る」というコーピング。
笑顔を作るという行動にはエネルギーが要りますが、そのぶん、不安や焦燥感があるときのよいコーピングになります。
また、心理学的にも、笑顔になれば心も楽しくなってくる、というのが証明されています。
作り笑顔というのは、単にいい顔をしているわけではなくて、自分のメンタルケアにもつながるわけです。
コーピングの考え方について
前回お話したように、コーピングとはストレス解消方法なわけですから、嫌なことであるはずがありません。
むしろ楽しいこと、幸せになれることのほうが多いくらいですね。
そしてそのコーピング、やはり数があるほどよいのです。
食事のイメージをしても気分が晴れなかったときは、好きな人・タレントをイメージしてみる、などコーピングがたくさんあるほうが自分の心のケア方法が増えるということです。
他人のコーピングを参考にして試してみる、自分で過去の経験からコーピングを探し出す、など色々な方法でコーピングをたくさん見つけてみましょう。
ふっと笑ってしまったことを思い出す、というだけでも十分コーピングになりますよ。
ぜひそんな瞬間を思い出して、コーピングに使ってみてください。