突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
- お金持ちになること
- 玉の輿にのること
- 幸せな結婚をして子供を育てること
- 大きな会社に入って安定した職があること
- 商売やスポーツで大成功して有名になること
これらの目的は達成すると嬉しいものです。
しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。
一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。
「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。
第11回は、「【自尊感情】…自分には価値があると思える感覚」の続き、「【自尊感情】…また失敗するかも…のトラウマを書き換えるには」を解説していきます。
目次
【自尊感情】…また失敗するかも…のトラウマを書き換えるには
前回は、SNSの「いいね」をもらっても満たされないNさんの事例を紹介しました。
今回は、同じ失敗を繰り返してしまうMさんの事例をご紹介します。
【事例2】同じ画面で同じ失敗をしてしまう
去年、大事な画面でシュートを外してしまった試合の後から、練習では問題ないのに、本番になるとゴールが奪えなくなってしまいました。
味方からパスを受けても、「またシュートを外してしまったらどうしよう」「チームに迷惑がかかる」と迷うようになり、思うように動けない状態になってしまいます。
結果、レギュラーから外れ、「自分はダメだ」「人に迷惑をかける存在なのだ」と自尊感情が著しく低下しています…。
「また失敗するかも」のトラウマを書き換えるには
過去の失敗体験から自尊感情が傷つけられ、「できる自分」のイメージを見失ってしまうのは、スポーツに限らず、勉強や仕事、恋愛、人間関係、子育てでも起こりうるケースです。
客観的に見て、過去の失敗そのものを変えることはできません。
ところが、自尊感情にトラブルがあり、自己肯定感が低下していると、振り返っても仕方がない過去の失敗体験を何度も思い出して、その度に「自分はダメだった」「自分が行動すると迷惑をかけてしまう」「もっとこうするべきだった」と、思い悩んでしまいます。
こうした囚われを払拭するため、カウンセリングではイメージトレーニングで自尊感情を高めることをすすめられました。
まず、シュートが決まるイメージを思い浮かべ、続いて、大事な場面でシュートを外した記憶を思い出してもらいます。
ただし、当時の様子ではなく、同様のシチュエーションでゴールを決めたイメージを持ってもらう。
いわば、イメージで失敗体験を上書きするわけです。
それで終わりではなく、次の大会でシュートを決めて、チームを勝利に導いた場面、買った後にチームメイトと喜び合っているところまで鮮明にイメージしてもらいました。
こうすることで、「自分はできる」「自分の力で変えられる」「自分はいてもいいんだ」と、イメージの中で自尊感情が高まり、それが現実にも波及していきます。
この方法は、潜在意識を味方につけるパワフルなテクニックです。
イメージの力で人は変わることができる
オーストラリアの心理学者のアラン・リチャードソンによるバスケットボール選手を対象にした実験があります。
実験に参加した選手を3つのグループに分けて、フリースローの能力を測定。
その後、それぞれのグループに次のような指示を出しました。
- Aグループ:フリースローの練習(1日20分)
- Bグループ:フリースローの練習をしない
- Cグループ:イメージトレーニングのみ(1日20分、手の動きやボールを投げる角度まで、完璧なフリースローシーンが決まった場面を鮮明にイメージする)
20日後、実験に参加した選手を集めて、再びフリースローの能力を測定したところ、次のような結果になりました。
- Aグループ:フリースローの能力、24%上昇
- Bグループ:フリースローの能力に変化なし
- Cグループ:フリースローの能力が23%上昇
実際に練習をしたグループと、鮮明なイメージトレーニングだけを行ったグループは、ほぼ同じくらいフリースローの能力が上昇するという結果になりました。
これは、イメージの中での成功体験が積み重なることで、自尊感情が回復して、自己肯定感が高まった状態でプレーできて、成功率が上昇したのです。
Mさんは実際にイメージトレーニングしたことによって、ゴールを決める感覚を取り戻し、見事レギュラーに復帰できたのです。
この他にも、下がってしまった自尊感情への瞬発型の対処法として、次のような方法があります。
すぐにできる対処法なので、ぜひ実践してみてください。
- 鏡の中の自分にポジティブな言葉をかける
- 良好な関係の人と話す
- 休日だからこそ、早起きをする
- 5分だけ掃除をする
これらの対処法は、今後詳しくご紹介していきます。
次回、「【自己受容感】…ありのままの自分を認める感覚」へ続く