突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
- お金持ちになること
- 玉の輿にのること
- 幸せな結婚をして子供を育てること
- 大きな会社に入って安定した職があること
- 商売やスポーツで大成功して有名になること
これらの目的は達成すると嬉しいものです。
しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。
一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。
「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。
第17回は、「【自己信頼感】…自分を信じられる感覚」の続き、「【自己信頼感】…仕事のプレッシャーに耐えられない」を解説していきます。
目次
【自己信頼感】…自分を信じられる感覚
前回は、どんな行動も躊躇してしまうMさんの事例を紹介しました。
今回は、高い目標のプレッシャーに耐えられないと訴えるWさんの事例をご紹介します。
仕事のプレッシャーに耐えられない
20代は要領のいいタイプの同僚に比べると目立たない存在だったものの、30代になると、コツコツ積み上げてきた取引先との信頼関係が実績に繋がり、出世していきました。
部下も増え、任される仕事も大きくなり、社内でも一定の評価を得ていますが、仕事に終わりがありません。
目標を達成すると、会社からさらに高い目標が設定されます。
「任され以上は達成したい」
Wさんはそう考え、でも部下の負担は出来るかぎり増やしたくないと、自分が残業や休日出勤をすることで何とか仕事をさばいていました。
しかし、いよいよ精神面で追い込まれ、頑張りだけでは処理できない仕事量を目の前にして、「終わらない…。でも人には頼れない」という思いが募り、会社に向かうのとは逆の電車に乗り無断欠勤。
「このままではいけない」とカウンセリングを受診したのでした…。
頑張れば頑張るほど追いつめられてしまうのはなぜか?
Wさんの悩みも、他の人から見ると、
「仕事はできるんだから、もっと要領よくやる方法があるはず…」
と思ってしまう内容です。
しかし、自己信頼感が低下すると、物事をネガディブに解釈してしまい、自己肯定感も低下。
ネガディブな負のループに入ってしまいます。
認知心理学では、物事の解釈の仕方を「メンタルモデル」と言います。
Wさんは、
「今までできていたのに、今回できないのは自分の頑張りが足りないせいだ」
と、自己否定的なメンタルモデルになっていました。
この状態を抜け出すには、メンタルモデルを変えていく必要があります。
そこで、カウンセリングで勧められたのが「瞑想」です。
瞑想は、心をリラックスさせ、不安や恐れ、心配といった人間が根源的に持っている防衛本能の働きを緩めてくれます。
ビル・ゲイツなどの有名な経営者も、大きなプレッシャーをコントロールするために瞑想を行っていると言われています。
瞑想をすると、自己信頼感が高まり、防御本能が自己否定という強い心のブレーキとなっている状態を、自己肯定という強い心のアクセルの状態へと変化させてくれます。
Wさんは、カウンセリングで、瞑想と、会社でしんどいと感じた時に1分でできる「バーミング」というヨガの瞑想法を勧められました。
自己否定的な「メンタルモデル」を書き換える
私たちの脳は、達成されたことより、達成されなかったことや中断したことの方を気にする性質があります。
これは「ツァイガルニクス効果」」と言われ、中途半端な状態になっている物事を無意識に気にかけてしまうというものです。
気になる次回予告や映画の予告編を見せることで。続きを視聴させる、映画館に足を運ばせるなど、ビジネスの世界でも応用されています。
その働きは悩みにも当てはまり、Wさんのような真面目で堅実な人ほど「終わらない」「達成できない」という悩みを抱え、それがずっと気になって心の中で大きく膨らんでしまいます。
瞑想には、そういった思いをリセットさせる効果があります。
呼吸に集中し、気持ちを切り替えることで自己信頼感を回復させることができます。
そして、自己肯定感が高まると。メンタルモデルがポジティブな方向に変化し、「部下の助を借りる」「ノルマの低減は締め切りの延長」といった選択肢を選ぶこともできるようになります。
「そんな簡単にできるわけがない…」と思われるかもしれませんが、人間は21日間同じことをやり続けると、その後も自動的に行うようになる「習慣づけするパターンの法則」で、まずは3週間、瞑想を行ってみてください。
次回、「自己決定感】…自分で決定できるという感覚」へ続く