突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
- お金持ちになること
- 玉の輿にのること
- 幸せな結婚をして子供を育てること
- 大きな会社に入って安定した職があること
- 商売やスポーツで大成功して有名になること
これらの目的は達成すると嬉しいものです。
しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。
一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。
「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。
第35回は、「【ステップ1】「自己認知」の3つのトレーニング」の続き、「【自己認知トレーニング①】ライフチャート」を解説していきます。
「【自己認知トレーニング①】ライフチャート」
「ライフチャート」は、あなたの「今、ここ」を再認識し、自己肯定感を強くするための足掛かりをつかむトレーニングです。
ライフチャートには、「今の私」の人生の様々なテーマに対する感情や価値観を「表出化」「数値化」「可視化」する3つの効果があります。
私たちは、普段ぼんやりと人生の様々なテーマを同時に考え、行動しています。
このエモーショナルなことを、定量的に数値化して分析するのが「ライフチャート」です。
これは、行動分析心理学でも自分を知るために有効な手段とされていて、誰にでも簡単にできるシンプルなテクニックです。
初めての方も、書いたことがある方も、まずは次の「ライフチャート」の記入例を参考にして書いてみてください。
あなたの「今、ここ」が分かる【ライフチャート】
まず、あなたの人生にとって大切なことを8つ[ ]に書き入れてください。
記入例では、「大事な人」「お金」「学び」「対人関係」「健康」「仕事」「娯楽」「プライベート」の8つが区分けされた円になっています。
次にその8つの項目について、今のあなたの満足度を10点満点中で何点か採点し、そこに●をつけてください。
例えば、「お金」であれば「収入」や「貯金」、「お小遣い」など、金銭にまつわる自分を取り巻く状況を思い起こし、「満足度はどのくらいか?」と評価して採点します。(仮に7点とします)
「大事な人」なら、「実家の親からの電話やメール、婚活の状況をいつも聞かれてウンザリだな…」「自分のことで精いっぱいで、子どもとの時間をとれていないな…」など、近況と照らし合わせて「2点」。
「健康」は、「健康診断の結果も良かったし、睡眠もしっかりとれていて快調」だから、「9点」。
というように、8項目すべてに●をつけたら、それぞれの●をすべて繋ぎます。
すると、あなたの「今、ここ」を客観視するデコボコとした形のグラフが完成します。
1つを1点上げるだけでいい
ポイントは、最も低い点数をつけた項目です。
円グラフの最低点が「大事な人」で「2点」だったとしたら、それがあなたの自尊感情を傷つけ、自己肯定感を低下させている主な原因です。
そこで、この最も低い項目に対して、1点だけ上げるためのプランを立てましょう。
重要なのは、一気に7点、8点に上げようとしないこと。
なぜなら、「人間関係」が「1点」「2点」だった場合、これを急激に改善させようと、
- 「友達を訪ねて歩く」
- 「新たな出会いを求めて合コンやパーティーに参加する」
- 「時間を作って恋人と旅行に行く」
- 「週末は子どもの好きな電車に乗りまくる」
- 「夫婦で高級レストランのディナーに出かける」
というようなプランを実行しようとしても、逆効果になってしまうためです。
友達や恋人に自虐ネタや愚痴を言って逆に距離を置かれてしまったり、新たに出会った人に派手な自己アピールをして、二度三度会える関係を築けなかったり、慣れない高級店で緊張して余計に気まず空気になってしまったり…。
そうなると、自尊感情が傷つき、自己肯定感が低下している状態で無理をしても、いい結果には結びつきません。
これは、「大事な人」に限らず、他の項目も同じです。
こうした事態を避けるには、まず1点ずつ改善することが大切です。
例えば、友達と30分でもLINEで話そう、夫婦で近くの公園を散歩しよう、子どもとファミレスで外食しながら話を聞こう…など、
それが、「人生は変えられる」「今の状況は変化するんだ」という手応えになります。
そして、一歩のスモールステップができた自分を「自分に○!」と肯定すると、ますますあなたの自己肯定感は上がります。
1点を2点にする、2点を3点にする。
これがうまくいくと、自己受容感、自己効力感、自己信頼感が回復し、引っ張られるように自尊感情も改善し、低下していた自己肯定感も上向く流れになります。
ここでも「スモールステップの原理」が役立ち、少しずつ積み上げるプラスのサイクルが起きてきます。
一歩、一歩。一段、一段。進んでいきましょう。
「ライフチャート」は、自己肯定感を鍛えるトレーニングの始めに行ってください。
そこで、「今、ここ」の自分の状態を知り、スモールステップとなる目標を立てていくこと。
これが基本的な流れになります。
もちろん、「最近、どうも調子が悪いな…」と感じるタイミングで「ライフチャート」を書いてみるのも有効です。
以前は低くなかった項目が落ち込んでいるのかもしれません。
また、スモールステップを積み上げて、以前は低かった項目が底上げされていることを確認し、自己肯定感が強くなった自分を再確認するチャンスになる可能性もあります。
最終的な目標は、グラフがキレイな八角形になること。
成長が目に見えてわかるのも「ライフチャート」のいいところです。
しかし、上がった下がったと一喜一憂はしないでください。
「ライフチャート」は楽しむのが大切なのです。
ぜひ、ゲームをするような感覚で試してみてください。
次回、「自己認知のトレーニング【2】レファレント・パーソン」へ続く