突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
- お金持ちになること
- 玉の輿にのること
- 幸せな結婚をして子供を育てること
- 大きな会社に入って安定した職があること
- 商売やスポーツで大成功して有名になること
これらの目的は達成すると嬉しいものです。
しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。
一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。
「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。
第36回は、「【自己認知トレーニング①】ライフチャート」の続き、「【自己認知のトレーニング②】レファレント・パーソン」を解説していきます。
【自己認知のトレーニング②】レファレント・パーソン
行動心理学の世界には「レファレント・パーソン論」という考え方があります。
私たち誰もがレファレント・パーソンの影響を受けている、という考え方です。
レファレント・パーソンは、人生の行方を左右する判断を下す時、重要な働きをし、本人に大きな好影響を与えてくれるだけでなく、自己肯定感を高めてくれます。
だからこそ、私たちは重要な判断や選択に迷った時にこそ、レファレント・パーソンが大切になります。
「レファレント・パーソン」とは、自分の在り方や生き方の価値基準の参考になる人物です。
そのため、既に歴史上に残っている、もしくは存在しているが後世何代でも受け継がれるだろう偉人である必要があります。
例えば、「野口英世」は、様々な困難な状況にあい、経済的にも恵まれませんでしたが、世のため人のためと医療の世界で人類に大いなる貢献をしました。
野口英世をレファレント・パーソンとしたある人は、パニック障害で外出が困難になった時でも、「大丈夫、できる!」と我に返って、もう一度社会に出ることができたそうです。
仕事でつらい時、あなたがスティーブ・ジョブズだったら、どうするでしょうか?
子育てがうまくいかない時、あなたがヘレン・ケラーだったら、どうするでしょうか?
生き方に迷っているとしたら、あなたがマサー・テレサならどうしますか?
「レファレント・パーソン」とは、その偉人の在り方、生き方、価値観、思考法、行動などを参考にして、自分が今、向き合っている問題を客観視するというトレーニングです。
具体的には、
「もし、私が〇〇だったら、これからどういう行動をとるか?」
「もし、私が今の私を見たら、どうアドバイスしてくれるか?」
「〇〇」の部分に、あなたにとってのレファレント・パーソンを当てはめて、現在の状況を客観視してみてください。
以前、転職後の職場で活躍できていない自分に悩んでいた女性の事例をご紹介しましたが、彼女はココ・シャネルの名言を紙に書き出して、目に入りやすい場所に貼り、
という形で悩みと向き合っていきました。
そこで、彼女は、
と、気づき、自己有用感を取り戻していくことができたのです。
また、ココ・シャネルの在り方と生き方に触れて、いかに自分の小さな価値観で生きていたかを認識し、
と、自己肯定感を高めることができたのです。
認知の歪みがスーッと修正される
「レファレント・パーソン」のいいところは、視野が広がると同時に視座が高まり、セルフイメージが高くなることです。
「ダメかもしれない」
「自信が持てない」
という具合に、自己肯定感を低下させている時、私たちは必要以上にネガティブになり、「できない理由」ばかり探す自動思考の罠に陥ってしまいます。
しかし、それは認知が歪んているだけなので、視野が広がり、セルフイメージが高まると、思いのほか、問題が小さなものだと気づくことができるのです。
認知が歪んでいる時は、歪んでいることそのものに気づきにくいものですが、このトレーニングをすることにより、認知の歪みも修正されます。
尊敬する偉大なレファレント・パーソンなら、
「どうアドバイスしてくれるか?」
と、視点を変えていく「レファレント・パーソン」のトレーニングは、いつも揺るがない、しなやかなモノの見方と視野の広がりを与え、歪みの存在に気づき、修正するための強力なトレーニング方法です。
皆さんも、普段から偉人の力を借りて、レファレント・パーソン・トレーニングを行ってみてください。
ココ・シャネルならこうして恋愛を楽しみ、こうして仕事をしただろう。
マザー・テレサなら、こうして子どもたちを育てて、子どもたちに愛と優しさを与えていただろう。
こんな風に考えてみてください。
日常がちっぽけに感じ、
となります。
セルフイメージが高まり、
と自己肯定感が高まります。
あなたもレファレント・パーソンの力を借りて、視点を変え、認知を新たにし、セルフイメージを高くして自己肯定感の木を育んでいきましょう。
次回、「【自己認知のトレーニング③】課題の分離」へ続く