突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
- お金持ちになること
- 玉の輿にのること
- 幸せな結婚をして子供を育てること
- 大きな会社に入って安定した職があること
- 商売やスポーツで大成功して有名になること
これらの目的は達成すると嬉しいものです。
しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。
一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。
「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。
第42回は、「【自己受容トレーニング③】if-thenプランニング】」の続き、「【ステップ3】「自己成長」の3つのトレーニング」を解説していきます。
【ステップ3】「自己成長」の3つのトレーニング
3つめのステップは「自己成長」です。
自己認知、自己受容によって整えた土俵で、「自己肯定感の木」を力強く育んでいくためのステップになります。
ここで取り組むのは「アファメーション」のトレーニングです。
アファメーションとは、肯定的な自己宣言のこと。
ポジティブな言葉で自分に語りかけ、あなたの人生に好ましい変化を起こしていきます。
アファメーションが与える人生への好影響は、多くの偉人たちが様々な言葉え言い残しています。
- その人が一日中考えていることが、その人である(ラルフ・ウォルドー・エマソン)
- 人間はその人の思考の産物にすぎない。人は思っているとおりになる(マハトマ・ガンジー)
- 自分は役立つ人材だという自信ほど、大切なものはない(アンドリュー・カーネギー)
肯定的な自己宣言、アファメーションを習慣化することが、継続的に自己肯定感を高め、強くしていくことに繋がります。
アファメーションがいかに効果的かは、スポーツの世界でも実証されています。
ペンシルバニア大学の心理学研究チームは、メジャーリーグの全球団でプレーする選手たちのシーズン中の発言内容を徹底的に分析。
その言葉に込められた楽観度、非感度をチーム単位で調査しました。
すると、シーズン中にメディアに対して悲観的な発言をした選手が多かったチームは、翌年に前年の成績を下回り、楽観度の高い発言をする選手が多かったチームは、前年より好成績を上げていることがわかりました。
そして、この研究は翌年も同じ結果が出たというのです。
できることを「できる」と自信を口にした選手が多くいるチームは、好成績を残す。
その選手の代表格がイチロー選手です。
2003年のオールスターゲームに出場したイチロー選手は、ナ・リーグを代表するピッチャー・ジェイソン・シュミットの初球を打ちます。
試合後、「なぜシュミットの初球にバッドを出したのか?」と問われたイチロー選手はこう返しています。
「ほとんど見た事がない、ナ・リーグで最高のピッチャーが投げてくる第1球、またはファーストストライクというのは、最高のボールのはず。
その球に対してスイングしようとする自分がいて、スイングできる自分がいるということ。
そういう自信をつかむために、あえて振りにいくんです」
ただ、ヒットを打つためだけではなく、自信をつかむために初球からバットを振っていく。
イチロー選手の肯定的な自己宣言が見られたのは、このオールスター戦だけのことではなく、厳しい局面でも自信を失わず、積極亭な行動に出ることで輝かしいキャリアを築いていったのです。
肯定的な宣言が肯定的な自分をつくる
ドイツのケルン大学で行われた研究では、ゴルファーを対象にある実験を行いました。
「このボールは幸運のボールだ」ボールを渡されたプレイヤーは、そうでないプレイヤーに比べてパットの成功率が35パーセントもパットの成功率が高くなったと報告されました。
これは「幸運のボールだ」という前向きな思い込みによって、「できる」という自信がつき、パットの精度が高まったことを示しています。
ところが、パットを成功させた同じプレイヤーに対して、「この現象はあなたの思い込みが原因でした」と明かした途端、パットの成功率は以前と同じレベルまで低下してしまいました。
別の研究では、アファメーションを習慣化している人は、物事にチャレンジする回数が増していくことも分かっています。
肯定的な自己宣言を習慣としている人は、「自分はチャンスに恵まれているから、いつか成功する」と信じて行動することができるのです。
その結果、試行回数が増えて、成功を信じているから失敗しても再チャレンジすることができて、自信を持って行動するため成果が出やすくなります。
その行動力を支えているのは、自己決定感と自己有用感です。
著書『運のいい人の法則』の心理学者リチャード・ワイズマン博士の研究では、「運のいい人」たちは「自分が幸運だと思える証拠を集め、思い込みを強化している」ことが分かったそうです。
また、ワイズマン博士は心理学の世界で古くから知られていた「行動が感情をつくる」という理念に着目し、笑うからよりおかしく感じる、泣くからより悲しくなる、というかんがえを発展させ、「アズイフの法則」にまとめています。
アズイフの法則とは、「○○になるには、○○であるかのように行動すればいい」というもので、
「運のいい人になりきって、行動することで幸運な状態に近づける」
ということになります。
私たちもイチロー選手のような自己固定感の高い人たちが行っているアファメーションの習慣化を真似することにより、行動力を高めることができるのです。
『エマソン 自分を信じ抜く100の言葉』という本では、エマソンの「根拠なき自信が絶対的な自信である」とうい言葉を紹介しています。
この言葉そのものが、さまざまな研究結果を反映しています。
根拠がない自信でも「できる」と信じ続ける。
アファメーション宣言によって、私たちの潜在意識はそうであると思ってくれます。
そのことにより、自尊感情や自己受容感も高めてくれるのです。
同時に、自分のできることを「できる」と宣言することは、自己決定権や自己有用感を高めて、自己肯定感を強くするために役立つ取り組みになります。
アファメーションを習慣化することで、自己肯定感全体が高まり、人生の様々な問題が解決し、あなたの人生の10割があなたらしい人生へと変わっていきます。
次回からは、アファメーションを習慣化するためのトレーニング方法をご紹介していきます。
次回、「【自己成長トレーニング①】スリー・グッド・シングス」へ続く