突然ですが、あなたにとって「幸せ」とはなんですか?
- お金持ちになること
- 玉の輿にのること
- 幸せな結婚をして子供を育てること
- 大きな会社に入って安定した職があること
- 商売やスポーツで大成功して有名になること
これらの目的は達成すると嬉しいものです。
しかし、「自己肯定感」が低いと、これらの目的を達成しても幸せを感じられません。
一次的には嬉しいかもしれませんが、喜びが長続きしないのです。
「自己肯定感を高めて人生をもっと楽に!」では、自己肯定感とうまく付き合う方法を身につけ、幸せな毎日を過ごすための方法をご紹介していきます。
第6回は、「小さな習慣が現実を大きく変える」の続き、「自己肯定感の2つの罠…『過去』と『比較』」を解説していきます。
自己肯定感の2つの罠…『過去』と『比較』
大人になると自己肯定感は下がりやすくなると言われています。
理由は大きく分けて2つあります。
一つは、経験が増えるから。
特に失敗した経験というのは強く残り、同じ失敗を繰り返したくないという意識が高まります。
これが自己肯定感を低くするトリガーになっていきます。
例えば、
- プレゼン中に頭が真っ白になり、空白の数分を経験した。
- 徹夜して仕上げた企画書が「イマイチ」と一蹴されてしまった。
- よかれと思ってやったのに「余計なことはしなくていい」と言われた。
- プレゼン中に頭が真っ白になり、空白の数分を経験した。
- 一生懸命作った料理を「お腹いっぱいだから」と食べてもらえなかった。
などなど…。
私たちは過去に失敗体験をしたことに対して、苦手意識を持つようになります。
会議で発言するのを避けたくなったり、プレゼンが怖くなり、新しい提案をするのが億劫に感じたり、何をやっても邪魔してしまうかも…と思ったり…。
そしてプレゼンが怖くなった人は、その日から憂うつな気分になって自己肯定感も低空飛行を始めてしまいます。
もう一つは、他人と比較をしてしまうから。
- 自分は同僚の誰よりも仕事ができない。
- いつも笑顔で振る舞いたいのに、うまくいかない。
- 他のママさんのように子育てがよくできない(だから子どもがいじめられる)。
- 私は女性としても魅力がない(だから恋愛が長続きしない)。
人生が長くなるにつれて、比較の対象が増えていき、どうしても他の人と比較してしまう…。
例えば、偏差値55だったAさんが勉強をして、56、57、58…と、少しでも上昇した時、
と自分を認めていくことで、自然に自己肯定感は高まります。
しかし、友人のBさんが偏差値65だと知ったAさんは自分とBさんを比較し始め、
「自分は勉強ができないんだ」
と考えて、自己肯定感が下がってしまうのです。
身近にいる人をライバルとして定めて競い合うこと力が伸びる、というのも有効な手段ではありますが、それが正しく機能するのは自己肯定感が高まっている時の話です。
「よくやった。これからまた頑張ろう」
と自分自身を認めてあげることが重要で、そのステップを踏まずに、
と比較してしまうと、自己否定が始まってしまいます。
「認めてもらいたい」気持ちに要注意
過去のトラウマや劣等感から、自分で自分のことを前向きに評価できない時、人は周囲から認めてもらいたい、という「承認欲求」が強くなります。
人から承認されることで、存在の安心を得ようとします。
承認欲求は誰もが持っている欲求ですが、自己肯定感が低いままでは、自分で自分を認められないため心が満たされず、欠乏感から他者の評価を求めてしまうのです。
そうなると、行動が依存的になってしまいます。
勉強なら、教師や親に認められるために頑張る。
子育てなら、良い学校に入れること、良いお母さんとして認められることだと思い込んで、子どもや夫の考え、状況も構わず、頑張ってしまいます。
仕事なら、「あなたの頑張りが必要」「このノルマを絶対に達成しろ」と言われて、ブラックな環境でも「認められよう」とギリギリまで耐えてしまいます。
この状態で学校の成績が上がったり、仕事のノルマを達成しても、スタート地点で「自分で自分を認めていない」ので、充足感は得られません。
逆に「次は何をしたらいいのか?」と、また周囲に指示を仰いで、さらにそんな自分に無力感を覚えて、自己肯定感をさらに低くすることになってしまうのです。
行動の動機が「やりたい」ではなく、「承認欲求を満たすため」になったままだと、いつまでも「やらされた感」から脱することができず、結果を出しても自己肯定感が低くなる「負のスパイラル」に陥ってしまいます。
注目は、「認めてもらいたい!」気持ちが強くなったら、自己肯定感が低くなっているな、と気づくことです。
それだけで自分の状況を冷静に見つめることができます。
次回、「2つの罠から抜け出すには」へ続く