「英国王のスピーチ」という映画で吃音(きつおん)という言葉を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか?
話そうとしても言葉に詰まってしまう・・・。
でも実際はあまり知られていない病気です。
吃音とは、言葉を発する際に特定の綴りを繰り返したり、言葉に詰まってしまう症状のことです。
目次
種類別の症状
吃音の症状は大きく分けて3つの種類に分けられます。
- 連発型
- 伸発型
- 難発型
連発型
最初の言葉を連続して発音してしまいます。
連続して発してしまうのは最初の一音のみで、それ以外はすらすらと話すことができますが、一息おいてしまうとまた出だしでつかえてしまいます。
例「おはよう」→「お、お、、おはよう」
伸発型
最初の言葉を伸ばして発音してしまいます。
また、言葉の語尾がよく伸びたり、「えー」「あー」といった言葉が文章の間によく入ってしまいます。
例「おはよう」→「おーーはよう」
難発型
「おはよう」と言いたくても、「お、、、」と言葉に詰まり、あとの言葉が続かなくなってしまいます。
そもそも言葉の最初の一音が出てこないことも。
なかなか言葉が出てこないため、無理に発しようとして顔が歪んでしまったり、体が硬直してしまったりすることもあります。
吃音が出やすいときって?
- 人前で発表や挨拶をするなど、不安な状態のとき
- 自分の苦手な行を発しなければならないとき
- 「どもらなように、どもらないように、、」と意識しすぎてしまうとき
人前での発表など、緊張や不安を伴う時や、吃音について意識しすぎてしまうと吃音の症状がでやすいようです。
吃音の原因はいったい何?
小さいころのトラウマや、いじめ、親の厳しいしつけなどが原因と考えられています。
小さいころにうまく話せなかったことを親に厳しく注意されたなど、小さいころの生活環境、ストレスが大きく関わっているようです。
また、遺伝的要素も原因として考えられています。
どうすれば改善される・・・?
吃音の治療において大切なことは、焦らないことです。
緊張や不安によって症状がでることが多いので、吃音についてあまり気にしないようにしましょう。
また、吃音の方には早口の方が多いようなので、ゆっくり話すように心がけましょう。
また、聞き手も言葉が出るまでゆっくりと待つなど、本人が話しやすいように配慮しましょう。
吃音は多くの場合、自然に治ると言われています。
ただ、治るには少なくとも半年~1年はかかると言われているため、焦りは禁物です。
普段のトレーニングとしては、お腹から声を出す腹式呼吸が効果的と言われています。腹式呼吸ではリラックス効果もあると言われているため、緊張感や不安のあるときにも有効です。
普段からは不安やストレスをためないように心がけましょう。また、そういった環境づくりも大切です。
吃音は治すことができるので、不安になり過ぎないようにしましょう!
英国王のスピーチ
冒頭で紹介した英国王のスピーチを紹介します。
あらすじ
ジョージ 6世(コリン・ファース)は、乳母からの虐待を受け、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱えていた。そんな彼は、英国王ジョージ 5世(マイケル・ガンボン)の次男という華々しい生い立ちでありながら、人前に出ることを嫌う内気な性格となり、いつも自分に自信が持てないでいた。
厳格な父はそんな息子を許さず、様々な式典のスピーチを容赦なく命じる。ジョージは妻のエリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)に付き添われて、何人もの言語聴覚士を訪ねるが一向に改善しない。ある日、エリザベスは、オーストラリア生まれのスピーチ矯正の専門家・ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていく。ライオネルは医師免許ももたず、役者としての成功を夢見る変わった人物だった。