外出するときに、「あれ、玄関の鍵閉めたかな・・・」と思うことは誰にでもあることです。
しかし、度が過ぎてしまった場合、それは強迫性障害という病気かもしれません。
目次
強迫性障害とは?
例えば、外出の際、鍵を閉めたか不安になって一度家に戻って確認するという行動はよくあるかもしれません。
ですが、鍵を閉めたか何度も何度も確認する、鍵が閉まっているとわかっていながらも自分が出かけている間に泥棒が来ていないか確認を繰り返す、など、誰にも命令されていないのに不安になって同じ行為を繰り返してしまう病気を強迫性障害と言います。
症状には、不安な考えが浮かんできて、それを抑えようとしても抑えられない強迫観念、不安な気持ちや恐怖を打ち消すために同じ行動を繰り返してしまう強迫行為があります。
強迫性障害の具体的な症状は?
- 戸締り確認を何度も行なう確認恐怖
- 電車のつり革などにつかまれない不潔恐怖
- 何度も手洗いをしたり何時間もお風呂に入る洗浄恐怖
などがあります。
電車のつり革やエスカレーターの手すりにつかまれない・・・。
何かに触るとバイ菌に汚染されたと感じてしまう・・・。
そのため、何度も何度も手洗いを繰り返したりします。
こういったことから、「何もしなければ確認をしなくていい」、「何にも触らなければバイ菌に汚染されることもない」と家に引きこもったり、ものに触れなくなるケースもあります。
また、自分なりのこだわりやルールがあり、そのことに過剰にとらわれてしまうこともあります。
数字や色、順番など、不吉な数字の日は行動ができなかったりもします。
強迫性障害を持っている方の多くは自覚症状があり、自分の症状に悩んでいます。発症時期は平均して20歳です。
強迫性障害の多くの方は、合併症としてうつ病を発症するのも特徴です。
強迫性障害の原因は?
今のところ、強迫性障害を引き起こす明確な原因はわかっていません。特におおきなきっかけもなく発症するというケースが多いのですが、そのほかに考えられる要因として、ストレスと遺伝が挙げられています。
日常生活の中でのストレス
仕事や家族、人間関係など、様々なものが考えられます。女性の場合、結婚、妊娠、出産なども病気の発症の一因となっている可能性もあります。
遺伝的要素も
自分の親が強迫性障害を持っている場合、強迫性障害を発症する確率が高いことから遺伝的要素があると考えられています。
性格的には、几帳面、神経質、完璧主義の人が発症しやすいと考えられています。
強迫性障害の治療法は?
- 薬物療法
- 認知行動療法
があります。
薬物療法
薬物療法の場合、効果が出るのに2週間程度かかるとされており、また最低でも1、2年は薬を飲み続ける必要があります。
効果が出てもすぐに中断してしまうと、再発の恐れがあるからです。ゆっくりと治療を続けていくことが大切です。
認知行動療法
認知行動療法では、あえて患者さんが不安や恐怖を感じる場面に直面させ、徐々にその状況に慣らしていくものです。
少しずつ不安だった状況に慣れていくと、「強迫行為は無駄だ」と患者さん本人が自覚できるようになります。認知行動療法には、患者さんと医師の信頼関係が必要不可欠です。
症状がひどくなると、日常生活にも支障が出てきます。早目の対応を心がけましょう!