うつ病 お役立ち記事 非定型うつ病

非定型うつ病ってどんな病気?【47】~非定型うつ病 回復のポイント ⑥ 飲酒をやめる~

投稿日:

うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。

うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。

「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。

第47回は、「非定型うつ病 回復のポイント ⑤ 脳トレで前頭葉の血流を増やす」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ⑥ 飲酒をやめる」をみていきます。

目次

非定型うつ病 回復のポイント ⑥ 飲酒をやめる

アルコールには、不安や恐怖をやわらげる作用がありますが、これは一時的なことです。

作用が途切れれば、不安や抑うつ感はかえって強まってしまいます。

また、大量の飲酒は薬の効果を下げるため、禁酒するのがベストです。

一時的には紛れるが症状は悪化…

アルコールには、不安や恐怖をやわらげる作用があるため、うつ病や不安症の人は、しばしば深酒におちいるようになります。

特に、パニック症の患者さんの多くが飲酒に走り、依存症を併発します。

アルコールには、一時的ですが、パニック発作そのものを防ぐ作用もあり、不安や恐怖を酔うことで紛らわせるうちに、アルコール依存症になってしまうのです。

アルコールによって不安がおさまったとしても、僅かな間、せいぜい2~3時間です。

そして、そのあとにやってくるのがリバウンドです。

アルコールの抗不安効作用が途切れたあとは、不安感や抑うつはかえって出やすくなるのです。

また、アルコールはすぐに耐性ができるので、不安をなくすためには、より多くの量が必要になってきます。

さらに、アルコールの抗不安作用は薬ほど長く続かないため、作用を途切れさせないようにするには、朝から一日中飲み続けるようなことになります。

こうなると、アルコールへの依存は坂を転げ落ちるように進みます。

アルコールを大量に飲んでいる人は、SSRIの効果があらわれにくい、という報告もあります。

SSRIに限らず、薬を飲んでいる間は、アルコールを完全に断つことがベストです。

付き合いなどで、どうしてもお酒を飲む必要がある時は、アルコールの作用が消えるころ(摂取後2~3時間経ってから)、薬を服用するようにしましょう。

女性は男性より依存症になりやすい

女性は、男性よりアルコール依存になりやすい素因があります。

女性ホルモンには、アルコール分解を阻害する性質があるため、少ない酒量でもアルコールの血中濃度が高くなり、男性の2倍のはやさでアルコール依存症になってしまうといわれています。

しかも、女性は自分のアルコール依存を隠そうとするため、周囲が気づいたときには、かなりの重症になっていることが多いようです。

周囲の人は、なるべく早く兆候に気づいて受診に導いてあげてください。

アルコール依存の典型的な兆候は、禁断症状です。

パニック発作の症状と似ていますので、以下を参考にしながら、気を配ってあげてください。

症状の違いはどこにあるのか

アルコールの禁断症状
  • 大きな震え(企図振戦<何かをしようとすると出る>)
  • 頻脈
  • 発汗
  • 不安
  • 立ちくらみ
パニック発作の症状
  • 細かい震え
  • 動悸
  • 発汗
  • 恐怖
  • 目眩

 
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ⑦ 日常生活のリスクに気をつける…その1」へ続く


 

restart_banner



-うつ病, お役立ち記事, 非定型うつ病
-, , ,

Copyright© 障害者就職ナビ , 2024 All Rights Reserved.