うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。
うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。
「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。
第49回は、「非定型うつ病 回復のポイント ⑦ 日常生活のリスクに気をつける…1」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ⑦ 日常生活のリスクに気をつける…その2」をみていきます。
目次
非定型うつ病 回復のポイント ⑦ 日常生活のリスクに気をつける…その2
病気を早期に治し、健康を取り戻すには。生活のリズムを整えることが大切です。
日常生活を見直し、日常に潜んでいる「悪化をまねくリスク」に気をつけましょう。
1日1時間以内が望ましい「パソコン作業」
いまや、デスクワークに欠かせない存在になったパソコン。
最近は仕事だけではなく、家庭でも日常的に使われるようになりました。
しかし、このパソコン作業は健康面にさまざまな影響を与えます。
肩、腰、目などに疲労が生じやすく、インターネットを長時間利用することで生活のリズムも崩れます。
また、不確かで大量な情報はストレスにも繋がります。
作業に集中すると、何時間もパソコン作業を続けてしまいがちなので、(仕事にもよりますが)パソコンの前に座り続けるのは、1時間以内にとどめるようにしましょう。
人間関係のトラブルを招きやすい「e-mail」
e-mailは手書きの手紙と違って手軽でスピーディーにやりとりができる分、言葉足らずになったり、間違えて送信してしまうなど、誤解やトラブルを招くことがあります。
また、最近はSNSなど、e-mailよりも簡単にメッセージのやりとりができるツールがあります。
このようなトラブルは、人間関係にも悪い影響が生じやすいので、心の病を抱えている人は注意が必要です。
すぐにメッセージを送る必要がないシーンでは、じっくり読み返してから送れる手書きの手紙や、イラストを添えたハガキなどを工夫して、前頭葉を活性化させましょう。
依存に陥りやすい「ゲーム」
ゲームは簡単にバーチャルな世界に入り込めるため、現実逃避の手段になりやすいので注意が必要です。
目の前に不安から逃れるためにゲームをやり続け、どんどん依存が進む危険性があります。
また、長時間のゲームは生活リズムを崩し、心の病気に悪い影響を与えるため、1日1時間までといったルールを決めて、ゲーム依存にならないようにしましょう。
不安を誘発する「蛍光灯の光」
蛍光灯の光のちらつき(フリッカー)は、明るすぎると人によっては不安やストレスの元になります。
少し明るさを落としたり、ちらつきの少ないインバーター式蛍光灯や、白熱灯に変えるといいでしょう。
生活のリズムを乱す「睡眠不足」
非定型うつ病の人は、楽しいことや好きなことには時間を忘れて没頭する傾向があります。
趣味を楽しむことはストレス解消となり、そのこと自体は決して悪いことではありません。
しかし、没頭しずぎて夜更かしをすると、睡眠不足や昼夜逆転を招きます。
こういった生活リズムの乱れは、新たなストレスとなって心身の健康を害するので注意しましょう。
決まった時間に寝て、決まった時間に起きる習慣をつけることが大切です。
23時に就寝がベストですが、どんなに遅くても24時には床の入るよう心がけましょう。
十分な治療でしっかり治す「風邪」
パニック症の人は風邪をひきやすく、一度ひくと長引きやすいことがわかっています。
十分に治さないと発症後、10年も20年も残遺症状(非発作性不定愁訴)がみられ、長時間じわじわと続くことがあります。
風邪だと思って軽く考えず、病院を受診して症状にあった薬を処方してもらいましょう。
しっかり薬を飲み、栄養と休養をとって風邪を治しきることが大切です。
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ⑧ マインドフルネス『腹式呼吸』」へ続く