うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。
うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。
「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。
第51回は、「非定型うつ病 回復のポイント ⑨ マインドフルネス『瞑想』」の続き、「非定型うつ病 回復のポイント ⑩ マインドフルネス『座る瞑想』」をみていきます。
目次
非定型うつ病 回復のポイント ⑩ マインドフルネス『座る瞑想』
座禅のように座って行う瞑想法は、日本人にもなじみ深い方法です。
まずは正しい姿勢で座ることが大切です。
はじめは短い時間から、だんだん長くしていきましょう。
頭から背筋を一直線にのばした姿勢
座るのは椅子でも床でもどちらでも構いません。
大切なのは、背筋をのばした状態で座ること。
姿勢を正して座ることが身を整えることに繋がります。
他の部分はリラックスさせますが、背筋から頭までは真っすぐに保ったままにします。
椅子に座る時は、足の裏がしっかり床につく高さの椅子を選び、なるべく背もたれによりかからないようにしましょう。
床に座る時は、あぐらをかくようにして座ります。
この時、膝を床につけると安定しますが、無理をする必要はなく、座布団やクッションを利用してみてください。
手は左右それぞれの膝に乗せるか、体の前で重ねて左右の親指の先を合わせます。
できれば毎日、朝晩10分ずつ瞑想する時間を
瞑想は静かな場所で、できれは朝晩10分ずつ行いましょう。
朝起きた時、夜寝る前など、決まった時間に行えるよう習慣化できれはいいですが、毎日バラバラの時間でも続けることが大切です。
効果を得ようとはじめから長時間行うと、あとが続かなくなるので無理をしないようにしましょう。
目は薄く開くか、前方の斜め下の一点を見つめ、呼吸は複式呼吸です。
ゆっくりとおなかをへこますように息を吐きだし、次におなかを膨らませるように息を吸い込みます。
呼吸を整えることで、心も落ち着いてくるはずです。
背筋を正したままの姿勢を保つことは、はじめはツラいと思いますが、少しずつ慣れてきます。
もし、痛みやツラさを感じたら、ありのままに感じることが必要です、
気にしないようにしたり、どうして痛いのか、違う座り方をすればよかったとか、評価や判断をしないで痛みの変化をそのまま受け入れます。
また、体を締め付ける服装だと、余計に苦しくなりがちなので、ゆったりとした服を着て行うのがベストです。
座って行うマインドフルネス瞑想
- 背筋を伸ばした姿勢で。
- 目は薄く開くか、前方斜め下の一点を見つめる。
- 複式呼吸を意識し、呼吸をコントロールしないよう自然に。
- 設定した時間にアラームをかかると、途中時間を気にすることもない。
他のことを考えそうになったら、呼吸に意識を戻します。
心が鎮まってきたら、いろいろな感覚、心に浮かぶことを全て、ありのままに受け入れるようにします。
くしゃみや聞こえてくる音にも「くしゃみが出た」「音が聞こえる」とそのまま受け入れ、「風邪をひいたかも」「なんの音だろう」とそのまま受け入れ、「風邪をひいたかも」「何の音だろう」と、評価や判断をしないようにします。
不安な気持ちを感じても、どうにかしようと固執して考えず、「私は不安だと思っている」とだけ受け止めます。
ひとつの事に深く囚われたりせずに、いたるところという視点で、呼吸の感覚、座っている感覚、聞こえてくる音など、今の瞬間のさまざまな感覚をしっかり感じ取るようにしましょう。
次回、「非定型うつ病 回復のポイント ⑪ マインドフルネス『日常生活』」へ続く