うつ病になる人は年々増えていると言われており、厚生労労働省の調査では、日本の潜在的なうつ病患者の人数は600万人を超えると言われています。
うつ病患者の中でも、最近増え始めていると言われているのが「非定型うつ病」と呼ばれるニュータイプのうつ病です。
「非定型うつ病ってどんな病気?」では、専門家でも理解が不十分とも言われている「非定型うつ病」とは、どんな病気なのか?その症状や治療法などを紹介していきます。
第8回は、「非定型うつ病の症状 ④ 拒絶過敏症」の続き、「非定型うつ病の症状 ⑤ 不安・抑うつ発作」をみていきます。
目次
非定型うつ病の症状 ⑤ 不安・抑うつ発作
夕方から夜にかけて精神のスイッチが切り替わる
定型うつ病は、朝に憂うつ感が強く夕方になるとやわらいできますが、非定型うつ病では反対に夕方から夜にかけて、それもほとんど不意に「不安・抑うつ発作」という形であらわれます。
発作の時は、それまでの精神状態がスイッチを切り替えたように別の精神状態に移り、まるで別人のような行動をとります。
発作であらわれる症状は、いろいろありますが典型的なものは以下になります。
身体症状
わけもなく涙がポロポロ出る(落涙)
精神状態
理由なく激しい不安・抑うつに襲われ、「誰も自分を理解してくれない」「自分だけ取り残された」「自分だけなぜこんな病気になったのか」「自分は世界一不幸だ」といった自己憐憫。
「自分と比べると〇〇さんはなんて恵まれているんだろう」といった嫉妬、羨望の気持ちが出る。
行く末をはかなみ、過剰に絶望したり激烈な焦燥感に襲われたりする。
発作への対処行動
落ち込むだけの人は、対処行動は少ないですが、不安・焦燥が激しい人は、それを紛らわすためにいろいろな行動をとります。
過剰な喫煙、過食、飲酒、異性への刹那的な接近、器物破損、自傷行為(リストカット、タバコの火を押しつける火傷など)、大量の薬物摂取、自殺企図など。
発作への対処行動
8割の人が過去の嫌な記憶が出現します。
次回、「非定型うつ病の症状 ⑥ 怒り発作」へ続く