
皆さんは何かに「ハマった」経験はありますか?
スマホのゲームやSNSに熱中してつい夜更かしをしてしまった。
パチンコで今月の小遣い全部使ってしまった、などなど…。
人は何かしらの「モノ」や「コト」など、「ハマった」経験があると思います。
ただ、中にはその「ハマる」が度を超してしまう場合があります。
それが、いわゆる「依存」。
「依存」により社会生活に支障が出ている状態を「依存症」といいます。
「依存症ってどんな病気?」では、依存症とはなにか、回復するためにできることなどについて、詳しく解説していきます。
第12回は、「違法薬物」の続き、「アルコール」についてみていきます。
目次
アルコール
「酒は百薬の長」などといわれますが、酒に含まれるアルコールは中枢神経抑制薬の一種であり、誰でも入手しやすい依存性薬物なのだという認識が必要です。
消費量は減ったが依存的な飲み方をする人は多い
日本でのアルコール消費量は、年々減少傾向にあります。
若い世代は特に酒を飲まなくなったともいわれます。
しかし、依存的な飲み方をする人は決して少なくありません。
通常、飲酒量が増えるほど、アルコール依存症(アルコール使用障害)と診断されるような状態は必ずしも同じではありませんが、連続性があります。
厚生労働省による多量飲酒の定義は、「純アルコール量で一日平均60グラム以上の飲酒」です。
ストロング系などといわれるアルコール度数の高い飲料が手軽に入手できる日本では、軽々とその基準を超える飲み方をして意識障害を起こすような事態に陥る人も少なくないのが現状です。
アルコールの特徴
アルコールに対して日本は寛容な国ですが、その影響は意外に深刻です。
長い歴史がある
アルコールの歴史は、人類の歩みそのものといえます。
国内法で飲酒を禁じたり、公共の場での飲酒を禁じたりしている国もありますが、総じて法規制はゆるめです。
ほろ酔いなら社会の潤滑剤になりうる
脳の高等な機能を担う大脳皮質の働きが抑制されることで、考えすぎずに済み、緊張と不安がやわらいで初対面の人とでも話しやすくなったりもします。
酩酊時に問題を起こしやすい
酔いが深まり酩酊状態になると、大脳皮質の働きが更に弱まり、感情や本能的な欲求など原始的機能を司っている辺縁系という部位の活動性が、相対的に高まります。
理性的にふるまえず、感情の起伏が激しくなったりもします。
飲酒運転による事故に繋がったり、暴力事件を起こしやすくなったりします。
暴力との関係
けんかのよる傷害事件では、加害者の半数~7割近くに飲酒が認められ、被害者の側も4割が飲酒していたというデータがあります。
DVや児童虐待の加害者も、アルコールの問題を抱えているケースが多く、性的暴行との関連も指摘されています。
他の依存的な行為との関連が深い
薬物依存症の人が、薬物とのかわりにアルコールを飲みだすことはよくあります。
うつ病や摂食障害、自傷行為などと、アルコール乱用は合併しやすいこともわかっています。
自殺との関連
アルコールの乱用は自殺のリスク要因とされます。
アルコール問題を抱えた自殺者の多くは、酩酊時に致死的な行動をとっています。
健康状態を悪化させやすい
肝臓病の原因になるだけでなく、消化管を傷つけたり、血圧を上昇させたり、大量飲酒によりアルコール性認知症をまねくおそれもあります。
口当たりのよい「ストロング系」の乱用が目立つ
焼酎を炭酸飲料で割った、いわゆるチューハイのうち、アルコール度数の高いものは「ストロング系」といわれます。
ほかの酒類との違いは、甘い味で口当たりがよく、ジュース感覚でぐいぐい飲めてしまう点にあります。
「酒は苦手。でも飲んで気分を変えたい」というときに選ばれるのが、手早く酔えるストロング系であることが多いようです。
ビールや発泡酒より税率が低く、安価で入手できるという点も、その傾向に拍車をかけています。
ストロング系(9%)…500ml缶2本で純アルコール量は72グラム(多量飲酒の基準越え)
▼同等のアルコール量
- ビール(5%)なら…500ml缶3本+350ml缶1本弱(1800ml)
- ワイン(12%)なら…1瓶(750ml)
- 日本酒(15%)なら…3合強(600ml)
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次回、「処方薬」へ続く。
