
「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第28回は、「マインドフルネス…③ 日常で取り組む」の続き、「リラクゼーションで心と体をゆるめる」についてみていきます。
目次
リラクゼーションで心と体をゆるめる
不安や緊張は心をこわばらせ、疲れさせます。
生活の中でリラックスする時間をつくって心をゆるめ、疲れを取りましょう。
まずは、自分の好きなことから始めるといいでしょう。
心を不安と緊張から解放する
不安や緊張を感じたままでいると、心が張りつめて疲れてしまいます。
日常生活の中で、意識してリラックスする時間をつくりましょう。
マインドフルネスもリラクゼーションの一つですが、その他にも、身近で気軽な方法はたくさんあります。
まずは自分が好きなこと、心地よいことを行ってみましょう。
ただし、やりすぎは禁物です。
例えば、甘いものが好きでも食べすぎはよくありません。
ストレス解消だけが目的ではなく、心と体、両方が心地よくなるのが本当のリラクゼーションです。
リラクゼーションの環境や内容を見直すく
リラックスのつもりが、実際には体や心の負担になっていることもしばしばあります。
リラクゼーションの環境や内容も見直しましょう。
ゲームをやりすぎていないか?
スマホやテレビのゲームは、不安から逃げる手段になりやすく、依存に陥りやすいので注意が必要です。
また、生活リズムが乱れる原因にもなります。
部屋の照明が明るすぎないか?
明かりは、脳を刺激する原因にもなります。
蛍光灯のちらつきは人によっては不安のもとになりかねません。
少し暗めのものや、ちらつきの少ない照明に替えてもよいでしょう。
+アルファの工夫でリラックス効果をアップ
普段の生活でしていることも、ちょっとした工夫でリラックス効果が高まります。
バスタイムを活用する
シャワーでは体が芯から温まりません。
必ず、夜の入浴タイムにはお湯につかりましょう。
血行がよくなり、疲れがほぐれます。
好みの香りの入浴剤などを使うのもよいでしょう。
例)40度くらいのぬるめのお湯で、20~30分ゆっくりつかる
アロマで心地よさをプラス
アロマテラピー(香りを用いた療法)は、日本ではリラクゼーションの一環ですが、ヨーロッパでは医療としても行われています。
特にラベンダーの香りは脳のアルファ波を増し、緊張をゆるめる効果があると言われています。
趣味の時間をしっかりつくる
音楽をゆっくり聞くなど、好きなことに没頭する時間をつくりましょう。
手を使う趣味は脳によい影響を及ぼします。
体の緊張をゆるめれば心も楽になる
緊張がとけることを「肩の力が抜ける」というように、心の緊張と体の緊張は密接な関係があります。
これを利用して、体と心をリラックスさせる「漸進的筋弛緩法」という方法をご紹介します。
体の反応を生かしたリラクゼーション
心が緊張してると、知らず知らずのうちに体にも力が入っています。
そして、緊張がほぐれると、体のこわばりも解消します。
漸進的筋弛緩法は、この反応を利用したリラックス法です。
体に力を込めたり抜いたりして体をリオラックスした状態に導き、それとともに、、心もゆるめます。
漸進的筋弛緩法のやり方
体を強く緊張させ、一気に力を抜くと、心もリラックス状態になります。
【STEP1】手と腕のトレーニング
仰向けになるか椅子に座る。椅子に座る場合は、ヘッドレストのある椅子を選ぶか、椅子を壁際に置いて、壁に頭をもたれさせる
① 手を固く握ってゆるめる(2回)
右手に力を込めて握りしめる。そのあと一気に力を抜き、指をだらりとたらす(2回)。
左手も同様に行う
② ひじを曲げ腕全体に力を込め、ゆるめる(2回)
右ひじを曲げて腕全体に力を入れる。そして一気に力を抜いて、腕をだらりとたらす(2回)。
左ひじも同様に行う
【STEP2】顔と肩のトレーニング
① 眉間にしわを寄せ、ゆるめる(2回)
眉間にしわを寄せて、額に力を込める。次に力を抜いて元に戻す
② 目をつぶってゆるめる
目をぎゅっと閉じて力を入れる。次に目を閉じたまま力を抜く
③ 歯を食いしばり、ゆるめる(2回)
歯を食いしばり、顔全体に力を込め、一気にゆるめる
④ 首を前後に動かす(2回)
首を後ろにできるだけ曲げ、力を込める。次に首を前に曲げ、力を抜く
⑤ 肩を上下に動かす(2回)
左右の肩を上に上げて力を込め、一気に力を抜いてストンと落とす
【STEP3】胸とおなかのトレーニング
① 気持ちのよい呼吸で、胸をリラックスさせる
鼻から吸って口から吐く呼吸を心地よく感じるペースで繰り返し、全身の力を抜く
② 息を吸って、胸に力を入れて止める(2回)
息を深く吸ってから、胸に力を込めて呼吸を止める。その後、息を口から吐きながら息を止め、息を吐きながらゆっくりとへこませ、力を抜く
③ 息を吸って、おなかを緊張させる(2回)
息を深く吸って、おなかを膨らませて力を込めて息を止め、息を吐きながらゆっくりとへこませ、力を抜く
【STEP4】下半身のトレーニング
① 足を持ち上げ、全体に力を入れる
左右の足を持ち上げ、つま先、ふくらはぎ、お尻に力を込める
② 力を抜きながら、ゆっくりおろす
足を下すとともに、力を抜く。足の裏が床に着いたら、力を抜ききってリラックスさせる。①、②を2回繰り返す
緊張予防にもなる
漸進的筋弛緩法には、不安感や緊張感をやわらげる効果があります。
緊張しそうになった時、前もって行うと緊張をおさえることができます。
心を軽くして自分を勇気づける方法
① 毎日、外出前に鏡を見て笑顔の練習をする
自分の視線が相手を傷づけると思っている人やm顔のこわばりが気になる人に向いている自己療法です。
顔がこわばっていると、他人からはこわい顔に見えるので、他人は怖がり緊張します。
お互いに表情がかたくなり、自分も緊張するという悪循環になってしまいます。
鏡に向かって笑顔をつくる練習をしましょう。
口角を上げるだけでも優しい表情になりますし、人に会う時にはリラックスした表情がつくれるようになります。
② 勇気をもらえる言葉を持ち歩く
カードや手帳に、自分を勇気づける言葉を書いておきます。
不安な場面でそれを取り出して、声に出して読む自己療法ですが、効果があるという人が多くいます、
例)
- ケセラセラ なるようになる
- 当たって砕けよ
- 失敗は成功のもと
- 聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥
- 七転び八起き
など
終わりに
社交不安症は放っておいて自然に治る病気ではありません。
治療すれば治る病気なのですが、最初にこれは「病気だ」と受け止めることが必要です。
現在では、社交不安症は性格などではなく、脳の働きぼアンバランスに原因があると解明されつつあります。
治療についても、薬物療法、認知行動療法、マインドルフネスなどが有効であることも分かってきています。
治療をすれば人生が大きく変わり、しかも良い方向に変わることでしょう。
そのためにまず一歩踏み出してみてください。
了
