アダルトチルドレンという言葉を聞いたことがありますか?
最近、テレビや雑誌、ネットなどでも聞かれるようになった言葉ですが、実際どんな人たちをさすのか、よく分からない…という人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんなアダルトチルドレン(AC)について詳しくみていきます。
アダルトチルドレン(AC)とは?
アダルトチルドレンとは、
子どもの頃に親との関係の中でトラウマを抱えたまま大人になった人のこと。
英語では、adult children(of alcoholics)の略で、「AC」とも呼ばれます。
誤解されやすいのですが、子どものような大人のことでも、大人のような子どものことでもありません。
家庭が十分に機能していなかったため、親から十分な愛情を受けられず、大人になってからも周りにうまく馴染めないなど、生きづらさを感じています。
アダルトチルドレンの症状は?
子どもは親なしでは生きていくことができません。
そのため、親に嫌われないようにするにはどうしたらいいか、愛されるにはどうしたらいいかを必死に考えて行動します。
虐待・暴力のある家庭や、「条件付きの愛」しか受けられない家庭の場合、子どもは自分を消して親に合わせるしかないのです。
そのようなことが続くと、さまざまな症状が出てきます。
- 自分の本当の感情がわからない
- 自己主張ができない、自分の意見がない
- 常に虚しさを感じてしまう
- 自分には価値がないと思う、自分のことが好きになれない、自分がわからない
- 人間関係をうまく築けない(すぐに依存するなど)
- 相手の顔色を常にうかがってしまう
- 周囲の期待どおりに振る舞おうとする
- 人との付き合いを損得で考えてしまう
- 寂しさを紛らわすために何かに依存する
- 表情がない
- 遊んでいても楽しめない、遊べない
- 環境の変化に抵抗がある
- なかなか「ノー」と言えない
- 自己嫌悪が激しい
アダルトチルドレンは自己認識の概念であり、病名や診断名ではありません。
そのため、アダルトチルドレンは「アダルトチルドレン」として診断されることはありません。
しかし、精神疾患でもみられる症状があらわれることもあるため、特別大きな弊害がなかったとしても、気になることがあればメンタルクリニックなどで相談してみましょう。
アダルトチルドレンの原因は?
アダルトチルドレンの人は、子どもの頃、親との関係で傷つきトラウマを抱えています。
親とのトラブルで考えられるのが、
- 虐待
- 親のアルコール依存
- 親のワーカホリック
- 親がギャンブル好き
- 親がセックス依存
また、機能不全の家庭で育った場合もアダルトチルドレンになる場合があります。
- 貧困
- ネグレクト(育児放棄)
- 家族の不仲
親が何らかの依存症や虐待など、トラブルがあれば、子どもにとって家庭は安全な場所ではなくなります。
家庭は本来、安らげる場所ですが、その家庭が子どもにとって危険な場所になってしまいます。
当然、苦しく、つらいことばかりで、マイナスの感情をたくさんため込んでしまいます。
感情が抑えきれなくなり、自分まで依存症になってしまうこともあります。
怒りを爆発させ、常軌を逸した行動をとる人もいます。
家庭に大きな問題を抱えていても、あまり支障が出ない人もいますが、そうした人も表面に出ていないだけで、生きづらさを感じ、二次的に精神疾患を引き起こしてしまう恐れがあります。
参照:
アダルトチルドレン: 生きづらいと感じるあなたはアダルトチルドレンかも?アダルトチルドレンの特徴と強みを解説 Kindle版, 飯沼 彩,2021/10/18