「人前に出るのが苦手…」
「人がいるところで何かをするのが苦手…」
そんな風に感じている人は意外と多いものです。
なぜ「人が怖い」と感じてしまうのでしょうか?
社交不安症は、子どもや若者だけでなく、大人でもつらい思いをしている人が大勢いる病気です。
「社交不安症ってどんな病気?」では、社交不安症の全体像から、症状、不安の軽減法などについて、詳しく解説していきます。
第3回は、「社交不安症の症状」の続き、「社交不安症の困り度チェック」についてみていきます。
目次
社交不安症の困り度チェック
「何を話せばいいか分からなくなる…」
「しっかりしなくちゃ!と思うほど緊張してしまう…」
これらを性格だと思ってあきらめていませんか?
次のチェックリストで、あなたの今の社交不安症の症状をチェックしてみましょう。
LSAS-J (リービヴィッツ不安尺度)
「LSAS-J (リービヴィッツ不安尺度)」とは、社交不安症(SAD)の程度を測定する心理検査です。
日本語版は、「エルサス―ジェイ」と呼ばれています。
国際的に広く使用されており、社交不安症の標準的な尺度とされています。
LSASは、
- (P)と付記された社交不安症の患者さんが苦手な人前での行為(13項目)
- (S)と付記された社交力を要するような社交場面(11項目)
からなる、合計24項目に対して、
- どれだけ恐怖や不安を感じるか
- どれだけ回避するか
の程度を、それぞれ「0~3」の4段階で評価し、その合計点(0~144点)を評価します。
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この1週間のあなたの状態を振り返り、最も当てはまる番号を項目ごとに1つだけ選んで記入してください。
恐怖感・不安感
0:全く感じない
1:少しは感じる
2:はっきりと感じる
3:非常に強く感じる
回避
0:全く回避しない
1:回避する(確率1/3以下)
2:回避する(確率1/2程度)
3:回避する(確率2/3以上、または100%)
項目(飛ばしたりせず、全ての項目に点数をつけてください) | 恐怖感/ 不安感 |
回避 |
1 人前で電話をかける | ||
2 少人数のグループ活動に参加する | ||
3 公共の場所で食事をする | ||
4 人と一緒に公共の場所でお酒(飲み物)を飲む | ||
5 権威ある人と話をする | ||
6 観衆の前で何か行為をしたり話をする | ||
7 パーティーに行く | ||
8 人に姿を見られながら仕事(勉強)をする | ||
9 人に見られながら字を書く | ||
10 あまりよく知らない人に電話をする | ||
11 あまりよく知らない人達と話し合う | ||
12 まったくの初対面の人と会う | ||
13 公衆トイレで用を足す | ||
14 他の人達が着席して待っている部屋に入っていく | ||
15 人々の注目を浴びる | ||
16 会議で意見を言う | ||
17 試験を受ける | ||
18 あまりよく知らない人に不賛成であると言う | ||
19 あまりよく知らない人と目を合わせる | ||
20 仲間の前で報告する | ||
21 誰かを誘おうとする | ||
22 店に品物を返品する | ||
23 パーティを主催する | ||
24 強引なセールスマンの誘いに抵抗する |
判定
下記の点数はおおよその目安です。
30点未満なら社交不安症と診断されないでしょう。
境界域
やや不安が強く、社交不安症と診断されるかどうかの境目
50~70点
中等度
苦痛を感じてはいるが、人付き合いや仕事などの日常生活では、まだそれほど支障をきたしていない状態
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解説:不安は感じてはいるものの、自分なりの対策で乗り切ることができている状態。
しかし、不安は自然に消えることはなく、大きくなる一方。
さらに症状が顕著
苦痛を感じるだけではなく、実際に人付き合いや仕事などに盈虚が出ている
95点以上
重度
働くことができない、通勤ができないなど、社会生活を送ることが困難になり、活動能力が極めて低下した状態
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解説:不安や緊張が非常に強く、日常生活に支障が出ている状態
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次回、「社交不安症の基礎知識…① 背景と要因」へ続く。